一之瀬へ向ける感情が『恋』だとわかった時、
俺は少しでも近付こうと思い休みの日に試合に誘ったり、遊びに誘ったりした。

正直、一之瀬が俺をどう思っているのかよくわからない。
人並みに笑い、人並みに怒る。
そんな平均的な彼女が俺を好きになってくれるのだろうか。

自分がモテているという自覚はある。
月一で告白をされていれば誰だってわかるだろうと思うけれど…。
彼女は周りの女子と少し、いやかなり違う気がする。
青峰たちと一緒にいるせいか、顔が整っているだけでは落ちないらしい。

放課後に部活が無い今日。
教室に忘れ物をした俺はしかたなく、取りに行くために黒子達と別れて教室に向かった。

あの時と一緒だ。
あの日は部活があったが、教室に忘れ物をして取りに行ったとき、出会ったんだ。
今思い出すと恥ずかしいな。
目も合わせなかったんだよな…あの時は…。

今はもうそんなことはない…と思う。
多少顔が熱くなったりするが、他は大丈夫だ。
じゃなかったら遊びに誘えないしな…。

なんて考えてる間にも教室についてしまった。
隣の教室の電気がついているのが見えて少し足が止まったがすぐに気付かれないように教室に入った。
何故そんな行動に取ったのか自分でもよくわからない。

『私だってわからないや』

一之瀬の声がした瞬間ビクッとした。
いつからこんなにびびりになったんだか…。
静かだからか、会話がはっきりと聞えてしまう。

「好き、とかじゃないの?」

……は?

『好きって?』
「恋愛感情ってこと」
『あぁ、恋愛感情ね…恋愛ねぇ』

ちょっと待て、何の話だ。
一之瀬が恋愛感情?誰かを好きってことか?

とりあえず落ち着こう

(一之瀬の声を聞くだけで)
(ドキドキして、)
(苦しくて、)
(嬉しかったんだ)


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