『で?来たけど…俺マジで見学すんの?』


放課後、皆がもう部活をしている頃。俺は体育館に連れてこられた。

理由は「見学してほしいから」と言う個人的な意見。主に相田の。


「当たり前でしょ?」

『当たり前じゃねぇよ、これがなんで認められてんのかよくわかんねぇし』


部活動に入ると言う事が絶対条件のこの学校はもちろんサボる事は絶対許されていない。

なのに、俺がバスケ部を見学すると言うことは許されている。

氷室と相田が何かやったってことはわかっているけど、何かはまだわかってない。


「まぁ、ドンマイ」

『日向、そのドンマイが一番キツイ』

「そろそろ慣れてくるだろ?何回もやってるんだし」

『慣れねぇよ、てか一応一年生いるからな?え?アイツ誰?見たいな顔してるからな?』

「大丈夫だろ、その内一年生の方が慣れる」

「一応有名やしなぁ…アリスのバスケ部見学」


笠松先輩まで…てか、今吉先輩?今なんて?有名?…ちょっと待った。なにが?これが?この見学が?有名?

……あー、頭痛くなってきたー


「大丈夫か?なんかフラフラしとるけど」

『大丈夫っす』


正直、大丈夫じゃない、初めて知ったし…

ふざけんな、俺は相田に連れてこられてるだけだし、被害者なんだけど…なんで有名なのさ…


『てかさ、今仮入部期間だよな?』


この学校は基本、仮入部期間だけ一年生は部活にいかなくてもいいと言うことになっていて、

だから、ほとんどの人がすぐ家に帰る。はずなんだけど…

このバスケ部は異常な人が多いのだろうか…教室で聞いた十一人全員来るとは…


「珍しいよなぁ…どんだけバスケしてぇんだって感じだな」

「ん?バスケしたいからバスケ部に入るんじゃないのか?」

「うん、お前はちょっと黙ってろ」


相変わらず、日向は木吉に厳しいな…まぁ、いいけど。


「よしっ、とりあえず自己紹介からしてもらおうかな!」


みんなの視線が相田に向く。

が、「え?なにあのマネージャー仕切ってんの?」みたいな目で見ている。一年生が。

わぁ…その目…新鮮だなぁ…久しぶりに見た…


「ちょっと待った、先に俺らの説明しておいた方がよくね?」

「せやね、先にそっちしとこか」


ですよねー

じゃないと、一年生何が何だかわからないからねー


「じゃあ、悪いけどまずワシから言わしてもらうわ」


バスケ部のキャプテン、今吉先輩が前に出る。


今吉「帝光高校三年、今吉翔一。一応このバスケ部のキャプテンや…まぁ、三年やからおるのは一年だけやけどよろしゅう」


いつもの悪そうな笑顔で挨拶。おぉ、さすが今吉先輩だなぁ…


「じゃ、次は私から説明させてもらうわね」


そして、また一年生が「だからなんであのマネ仕切ってんの?」みたいな目で見る。


「私は帝光高校、二年!バスケ部監督の相田リコ、よろしく!」


一年生一同、驚く。


『…っ…!』


笑い堪えるの結構辛い(笑)

それから二年生、三年生の紹介と一年生の自己紹介が終わった。

一応、俺の説明もされてたけど…


『ん?』


そういえば、あの子…どっかで…


「ぁ…この前の…」

『…体育館の子か?』

「…はい、あの時はありがとうございました」


ペコっとお辞儀をする黒子君が一瞬可愛く見えたのは気のせいだろう。

いや、気のせいだと思っておく。


『へぇ』


こんな顔してたのか…全然見えてなかったなぁ…あの時…


「テツヤ?知り合いか?」

「始業式の日、迷ってしまって…その時に助けてくれたんです」

『助けたって…道教えただけだろ』


そんなことを話していたら、俺の後ろから突然なにかデカイのがにゅっとでてきた。


『?!』

「なんだ、テツ迷子になってたのか?」

「迷子じゃないです、迷ってただけです」

「一緒だろ」


おーおー、ワラワラと一年生が集まっていくー…

てか、背たけぇ…なんだこいつら…今年の一年もやっぱり異常だな…


新入生全員集合


(あー、言い忘れてたけどこのバスケ部は基本ゆるいで)
一年一同(?)
(帝光中みたいに勝つことが絶対とかそういうのはないってことや)
((黒子君…一瞬嬉しそうな顔した…?いや、気のせいか…))
(まぁでも、練習はきついけどな)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -