嫌いだよ


少々の風が入ってくる体育館の中。

俺はまた、こいつの話を聞かなければならないことにため息が漏れる。


『今日、夢を見たんだ』


特別真剣な話をする訳でもないのに、真顔で見てくるこいつに少し殺意がわく。

そんなことを思っている間にも語りしたのだが…

俺の異論は認めない気だ、こいつ。


『夢の中に赤司が出てきたんだ』

「ちょっと外にでようか」


秋兎の腕を引張り、外へと足を進める。


『ちょっ!待て!違うぞ!これからがいい所なんだよ!』


どこがだ。

意味が分からないし、分かりたくもない。

てか、これより先は悪い予感しかしない。


「生憎、俺には君の無駄話に費やしている時間は無いんだ」

『無駄じゃないって!……無駄かもしんないけど聞いてよ!』


どっちだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結局、俺は話を聞かなければならないらしい。


「で?」

『夢に赤司が出てきたんだ』

「それはさっき聞いた」

『出てきたのはいいんだけど…』

「さっさと言え」

『えっと…鬼ごっこみたなのしてたんだ』


…………は?

こいつ、こんな事で俺の時間を奪ったのか?


「一つ聞く、それで終わりか?」

『いや、まだある』


ドヤ顔で言うな、腹が立つ。


『赤司が俺を殺す勢いでこっちに走ってくるっていう怖い夢だったんだ』

「………」

『で、俺は赤司に聞きたくなった』

「何を」

『俺のこと嫌いか…?』


あぁ、もちろん答えは決まっているさ


嫌いだよ


(でも、)
(君の話は最後まで聞いてしまうんだ)
(なんでだろうね)


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