誰が許すか、バカ


『あの女がいいなら、あの女引っかければいいのに』

「秋兎?それ、彼氏の前で言う言葉じゃないよね?」


私は別に臨也が浮気しようが知ったことじゃない。

だって、最終的にこっちに戻ってくるって分かってるから


「どうしてそこまで自信満々なのか分からないんだけど」

『さぁ、私にもわからない』

「そうかい」


まぁ、でも…


『今回のはさすがに困るなぁ』

「いつも通りのはずなんだけど…なんで俺こんな格好にされてるの?」

『あららー、分かってらっしゃらない?』


こんな格好とは、

ベッドに倒され、手を頭の上で拘束され、挙句の果てに、目隠しまでされている。

という、状態なのだけれど、

あ、別に変な事をしようとしているわけではなく、

ただ興味半分お仕置き半分と言った所でしょうか…

何をするわけでもなくこんな格好にさせているのだけれど、

さて、どうしましょうか…


「分かってないって言うか、こんな格好させられる理由が見つからないと言うか…」

『手をつなぐまではいいけどさぁ…キスはだめでしょー』

「あぁ…知ってたんだ」

『へぇ、知られてないと思ってたんだ』

「まぁね」

『嘘だねぇ…指が動いてるよ?これって臨也の癖だよね?』


臨也の癖は殆どの人がわからないぐらい小さい変化で、

実際これを知っているのは私と、九十九屋くらいじゃないかな…


「!?」

『あは、彼女が見てるってことがわかっててキスするって最低じゃない?』

「今までも…」

『今までは手をつないでただけだからねぇ』

「でもっ!」

『抵抗すんなよ』


今までより低い声を出すと、

臨也は私の顔が見えてないから、声で機嫌を判断する。

それを、利用してちょっと臨也で遊ぼうかなと…


「っ!」

『私の前で私以外とキスした仕返しだ』



誰が許すか、ばか


(ちょっ!ストップ!ストップ、秋兎!!)
(待たないし、止まらない)


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