今、言ってやろうか


『今日は晴れだね!』


そう言って俺の隣を歩くのは幼馴染の不知火秋兎。

つい先日、告白されたが「答えは頭が整理できてからでいいよ」と笑顔で言われたので

遠慮なく待ってもらっている。

昨日告白してきたのかと聞きたくなるくらいいつも通りの朝で、告白されたという実感がいまいちわかない。


「雨だったら何かあるのか?」

『今日七夕だよ?夜の星が見れなくなっちゃうよ…しかも、真ちゃんの誕生日だよ?』

「あぁ、そうだったな」

『おめでとう!』


そう微笑みながら言ってくれる秋兎を見ながら自分は幸せ者だなと思った。


「よく覚えていたな」

『いつから一緒にいると思ってるのさ』

「…そうだな」


いつから…いつからお前は俺を好きになったんだ…?

ずっと一緒にいた…だからこそ気付けなかったのか…?

わからない事だらけなのだよ


『難しい顔してるー、変なのー』

「誰が変なのだよ」

『わー、真ちゃんが怒ったー』


そう言って小走りで逃げる姿も振り返る仕草もいつも通りで昨日となにも変わりなかった…はずなのに

意識しているからか…ふと可愛いと思ってしまった。


『顔赤いよ?風邪?熱?』

「大丈夫なのだよ」

『そう?』


こんな無愛想な俺を好いてくれるのはありがたいことだな…

だが、返事はもうちょっと後にしようか。


『あ、きーちゃんだ!』

「秋兎っちと緑間っち!おはよっス!」

『今日は朝から授業うけるんだね!』

「今日、仕事はオフっスから!」

「朝からうるさいのだよ」

「いいじゃないっスか!賑やかなのも!」

『そうだよ!』


いや、やっぱり


今言ってやろうか


(くっつきすぎなのだよ)
(緑間っち、嫉妬っすか?)
(え?なになに?)
(黄瀬は少し黙るのだよ!)
(えぇ!?何で俺なんスか!)


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