一日遅れの…


突然だが、今、大事な事を思い出した。

何かって?

……それは、昨日は黄瀬の誕生日だったらしい。

ここに来て日の浅い俺が一気に六人の誕生日など覚えられるはずも無く、

普通に考えて、無理なわけで…

いや、記憶力がいいとか、

そんな主人公によくありげな設定とかだったら、祝えてたんだろうなぁ…

なんて、今更後悔しても遅いわけで、

現在、目の前で現役モデルの黄瀬涼太が泣いてます。


『ごめんな?俺の記憶力が無かったせいで…』

「お前、まだやってんのかよ」

「いい加減にするのだよ、たかが誕生日ぐらいで」

『まぁまぁ、原因は俺みたいだし、二人は練習行ってこいよ。な?』


半ば追い払うように青峰と緑間を練習に行かせ、

赤司に黄瀬と俺は休むと伝えた。


『黄瀬、今からでもいいか?』

「へ?」

『悪いのは俺のほうだ。…だから、今日だけ二人っきりでいよう…嫌か?』

「い、嫌じゃないっス!!」

『そうか、よかった』


黄瀬はパァッと明るくなり、俺の手を引張りながら、「早く行くっスよ!」と言った。


一日遅れの…


(誕生日おめでとう)
(今日だけ、名前で呼んでくれないっスか…?)
(いいよ、涼太)



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