今すぐにでも


※赤司(→)←主 たぶんこんな感じ。
※赤司夢だけど赤司くんあまりでません。




会いたい。赤司に会いたい。

いつ以来だろうか、こんなにも一人の人を好きになったのは…。

最初はただのクラスメイトのはずだったのに、いつの間にか目で追うようになっていた。

告白とかなかなかできないもので…

そりゃ男が男に告白はおかしいことも知っているけど、言わなきゃ伝わらないってのも知っている。

でも、あっちのスキは違うもののはずで…

なんて悶々と考えながら高校生初の夏休みを過ごしている。

ついでに、現在黒子と火神とマジバに来ている。


『あぁ…会いたいなぁ…』


いつの間にか口癖のように自然と漏れるようになっていた。


「誰に会いたいんですか?」

『んぁ?』

「さっき言ってたじゃないですか」

『あぁ、独り言ね』


シェイクをキュイキュイ吸いながら俺の独り言を聞いてたっぽい黒子は若干首をかしげながら聞いてきた。

聞いたところでどうってことないと思うんだけど…


「なんだ?好きな奴でもできたのか?」

『んー、まぁそんな感じかな』

「好きな人…ですか…」


俺は自分で頼んだテリヤキバーガーをもそもそと食べながら曖昧に答えた。

会いたい。今すぐにでも…会いたい。そう思う俺はもう末期かもしれない。


『京都って…遠いよな…』


不意に出た言葉。それを黒子は聞き逃さなかった。


「…まさか赤司くんですか?」

『っぶふぉ!!』


丁度その時飲んでいたジュースを吹いてしまった。

大丈夫、ちょっとだけだから…誰にもかかってないから…大丈夫…!


「お前…マジか…」

『…引くなよ』


自分でも分かるくらい顔が熱い。絶対真っ赤だ。

もーやだ、こいつ等にバレるとか…あ、でも青峰じゃないだけマシか…


「以外ですね」

『…そうか?』


ヤバイ、恥ずかしい。


「でもさ、東京から京都ってかなりの距離あるぜ?」

『知ってるよ、だから必死にバイトしてんろ』


そう、俺は京都に行きたいがために、赤司に会いたいがためにバイトをはじめた。

現在大体貯まってきている。だからもうちょっと、もうちょっとで行ける。


「先に電話で言った方がいいんじゃないですか?」

「そうだな、電話したらいいじゃねぇか…ここで」

『ここで?!』

「いいですね、それ」

『なっ!!』


恥ずかしい事この上ない。

何故友達の前で好きな人と電話しなければならないんだ。

と、思ったけどここは火神の言う事を素直に聞こうと思った。

こいつ等がいたら言える気がする。

それに…声が聞きたい。声だけでも聞きたい。

今はそれだけでいいから…。

そう思いながら電話をかけた。


ガチャッ


『秋兎か?どうした?』

『ッ…!!ぇ…っと…ぁの…』


声を聴いた瞬間、頭の中が真っ白になった。

嬉しい…こんなに早く出てくれるなんて…こんなに早く声が聞けるなんて…!

俺はこんなにも赤司がスキなんだな、と改めて実感した。


「早く言った方がいいですよ」


目の前の黒子が小さい声で言ってきた。

あぁ、顔が熱い。恥ずかしい。


『ぁ…のさ…京都…行くかもしれない…』

『ぇ?…こっちに?』

『ぅん…』


火神が「こいつ女みたいになってるな」とか言ってるけど気にしない。

今は電話に集中する。


『嫌…?嫌なら…行かないけど…』


あまり聞きたいくなかった。でも、聞かずにはいられなかった。


『嫌じゃないよ、おいで』


優しいその声を聞くだけで癒された。


『ぅん、また電話するね』

『あぁ、じゃあね』


電話を切って、目の前にいる黒子と火神にすぐ報告。


『おいでって…!おいでって言われた!!』

「よかったですね」

「おー、よかったな」


すげぇ嬉しい。

あぁ、早く会いたいなぁ…!!


今すぐにでも


(何時にしようかなぁ…!)
(嬉しそうだな)
(僕も付いて言っていいですか?)
(やめとけ、居場所なくなるだけだ)
(…そうですね)
(来週でもいいかな…?!)
(いいんじゃねぇか?早めに行きゃいいだろ)
(そうですよ、赤司くん楽しみにしてるかもしれませんから)
(あー、俺も楽しみ)
(幸せそうだな)
(幸せそうですね)


back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -