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「ねぇ、タケマルくんって…私のこと、好き?」
「………は?」

放課後の図書室で、私は彼にそんな事を聞いた。
彼…タケマルくんと付き合い始めてから大体半年位経つ。
周りからはありえないだの何だのと言われたが、私はタケマルくんが好きだし、タケマルくんの方も満更ではないらしい。

「……何でそんな事、今更聞くんだよ」
「何となく」

私が笑顔で答えると、タケマルくんは少し困ったような顔をする。

「……言わなくても分かってんだろ…」
「またはぐらかしてー…恥ずかしい気持ちは分かるけど、たまにはちゃんと言ってほしいな」
「……ちゃんと言えって……」
「"私は名字なまえが好きです。"位は言ってほしいな」
「言わせておけば好き勝手言いやがって……」
「生憎私にとっては褒め言葉です」

そう言って私はにっこり微笑む。タケマルくんは何やら悩んだ様な表情をしていたが、暫くしてこちらを振り返る。

「……好き、だ」
「……うん」
「俺は名字なまえが好きだ。他の誰よりも、なまえを愛している」

そう言ってタケマルくんは私を抱き締めてた。
私にとって思いがけない答えで、同時にすごく嬉しくて、私は肩に顔を埋めて微笑んだ。

窓から差し込む夕焼けの光が、私たちを染めていた。