「♪、♪ー」
「なにをしているんだ?」
私が板チョコを食べている最中、エイトがやってきた。
女の子は誰しも好きな人の前で醜態は晒したくないもの、私は急いで後わずかに残っている板チョコを背中に隠す。
「え、エイト!どっどど、どーしてここここ・・・!」
「ふ、お前は相変わらず騒がしいな。」
顔が火照る。恥ずかしい。穴があったら入りたい。
エイトはそんな私を気に止める様子もなく、こちらへと近づいてきた。
「それは・・・チョコか?
糖分は疲れが取れると言うが、食べ過ぎるなよ。」
「ご・・・ごめん」
怒らせてしまっただろうか。
政治的な考えを読み解くことには長けているエイトだが、それがプライベートとなるとドの付くほどの天然だ。
で、でも自分の気持ちをはっきりいえるそこがまた好き・・・・って私!なに言ってんだもうっ
「・・・・プ
しゅんとしたと思えばいきなり困ったり照れたり、またしゅんとしたり・・・忙しいヤツだな。」
わ、笑われたっ!笑った顔もかっこい・・・いやいや違う違う!!
他のヤツだったら鳩尾を蹴ってやるのに、これがエイトとなれば話は別だ。
思考はどんどんネガティブに。あー涙出てきた。
「〜〜〜、嫌いに・・・なった、?」
「いいや、むしろ好印象だ。
なんにでも一生懸命なお前はすごいと思うぞ
チョコレート、まだ残っているか?たまには俺も食べたい。」
「う、うん!!・・・・って、やっぱこれはダメ!
私口つけちゃったし・・・握りすぎてちょっと溶けてるし・・・・・・。」
「気にはしない。お前が幸せそうに食べていたから食べたいんだ。
・・・・だめ、か?」
反則だろおおおおおおおっ
このド天然!ピュアホワイト!天然たらし!!!
だが、私は急いで残りのチョコを一口で食べきる。
間接キスなんてしたら私の心臓が持たない。
「っん、ほら、もう食べちゃったからないよ!
今すぐ買って来るからそれで良いよね!」
「あ、待て」
急いでエイト分のチョコを購入すべく売店へと足を動かす。
しかし腕を掴んでその足を止めるのも、又その人だった。
振り向くと思いのほかその顔は近くにあって。
「・・・・・・・・・ん。甘いな、ご馳走様。
はは、ほっぺにチョコつけて走るなんて、間抜けだぞ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
口元についているチョコをあろう事かなめるなんて、
狙ってるんですか!?
(これだから天然は困る!!)(ん、どうした、熱があるのか?)