うそつきなあなたへ
幸せすぎるのが嫌いだと呟いたあなたの、苦しそうな顔をよく覚えています。
春の太陽のようにやさしい愛で包んでくれたあなたの、大好きな笑顔が頭に浮かびます。
そんなあなたのいない日々は少し味気ないです。
美味しくもないシチューを一人で食べきって
面白くもないドラマを二人分のソファで眺めて
少なくなった洗濯物を多過ぎるハンガーで干して
使う人のいないマグカップを丁寧に丁寧に拭いて
一人分のベッドは窮屈なく独り占めしています。
無欲なあなたは、幸せを感じるほど不安な顔をしましたね。
あなたはもっと貪欲になってもいいと思いました。
些細なことで喧嘩しても、私が悪いのに絶対にあなたから謝ってくるから。
私はもっと、いろいろなあなたを知りたかったのに。
怒った顔も、困った顔も、悩んだ顔も、泣いた顔も、苦しそうな顔も
あなたの感情を全部全部、私に分けて欲しかった。
もしも私が今よりずっと強い人だったら、あなたの隣に居ることができたのでしょうか。
今は叶わないもしも話を考える癖がついてしまいました。
あなたの所為でしばらくは治らないわよ。
もう今は届かないけど、何度もあなたに言ったけど、何度でも呟くわ。
あなたのことが、大好きです。
さようなら。
あなたへの手紙
「涙色アストロノート」「あなたへの手紙」
表題曲:アストロノーツ/椎名もた(ぽわぽわP)
from Y to Y/ジミーサムP