贈り物 | ナノ
  キリ番お礼【紅火様】
【可愛いおチビちゃん】



私の家には、子供が二人いる。

今年で四歳になる、裏路地にダンボールの中に放置されていたイーピンと。

幾ら年を追っても大きくならない困った子、風。

ああ、そうだ。 我が家の暴れん坊、小猿のリーチ。毛がフサフサしてて、白くて、小さくて可愛いのよ?

ふふふ。

こんなにちみっこい子たちだらけの家で、唯一の大人である私の名前は空。 一応、風の恋人でもあります。

…うん、まあ事情を知らない人からみたらこの子たちは私の子供にしか見えないですよね。 わかってます、はい。

なので赤の他人にはイーピンが姉、風が弟の姉弟ということにしていますよ。うん。

「…空、今何か失礼なことを考えませんでしたか?」

「えー。なんのことでしょう…私、まったくわからないですよー?…ふふ」

私特製の甘口麻婆豆腐を食べて、疑わしそうな視線を私に向ける風。 因みに今イーピンとリーチはお昼寝中だ 。

紛い物の赤ん坊である風と違って、本当の子供だから睡眠は大事。

「貴方、年々厄介な性格になっていきますね…いったい、誰に似たんですか?」

「少なくとも両親からではないですね。身近にいる人では?」

「…口ばかり達者になって」

ふぅ、と呆れたようにため息をつく風を見てニマニマと笑う。

30年と、ちょっと前。 選ばれし7人が、アルコバレーノに…なってしまった日。

その数日後に私は生まれた。

風は親友同然であった私の父親に、暫く身を隠して欲しいと頼みこの家にやってきて、赤ん坊であった私の世話を焼いてくれたの。

…だから、小さい頃私がやってしまった 失敗談を色々とたーっぷり握られてるんだけれども。

今はもう、「世話係」でもなく「兄」でもなく「親友」でもなく、「恋人」に… …ああ、ここまでの関係になるのにどれだけ時間がかかったか。

………あれ、涙が。

「ご馳走様でした……おや、空。どうし たのですか?」

「…いーえ!何でもないですよー!」

感傷に浸っていた、なんて言ったら笑われるだろうなぁ。 だから、いーわない!

後でイーピンに「尊敬する師匠の恥ずかし写真100連発」を見せてやろーっと。

可愛いおチビちゃん

チチッ

あれ、リーチ起きちゃった?

そろそろイーピンも起こさなければ…修行の時間です。

えー。たまにはお休みにしてあげたらどーですかー?

…餃子拳かましますよ?

うわっ、それは勘弁!
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