わたしの好きな人には、綺麗な彼女がいる。
たぶん、中学二年の時から付き合っているから、もう三年弱になるのだろう。
優しくて気配りができて、可愛いい女性だ。私がどれだけ着飾っても到底勝ち目がないくらいに。
二人の仲を邪魔したくはないからと、今まで、誰にもこの気持ちを打ち明けることはなかった。一番の友達にも打ち明けていないくらいだ。私の意志は固いし、誰にも気がつかれまいと、女優並みの演技もした。現に今まで、ヒロト以外(こいつは例外)誰にも気づかれずに過ごしていた。
…はずだったのに。
「お前さ、俺のこと好きだろ」
「…調子乗んなしんでしまえ」
何で今にして本人にバレたのでしょうか。
ヒロトが言っちゃった…?
いやいや、それはない。一応あいつは言わないと私に約束したはずだ…!
『美雅が晴矢に必死こいて片思いしてるの、面白そうだから言わないでおいてあげるよ』
……約束…うんまあ約束…
ヒロトは思いつきと気紛れで動くヤツだから、有り得る。十分に有り得る。
「好きだろ」
「シネボケチューリップ。脳ミソお花畑」
「…はぁ」
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