今年の春、幼馴染みの二人と入った大江戸学園。
共学のそこはかなり変わっていて、入学早々俺達は面食らった。
総悟と近藤さんに引っ張られて校門を抜けると、全学年の女子が校庭に集まってんじゃねーの?と思う程大勢の女子生徒が校門から玄関までの一本道を作って待っていた。

「なんだこいつら…」

あまりの人の多さに俺は驚いて目を丸くすると総悟が思い付いたように言う。

「もしかして出待ちじゃねぇんですか?」

「で、出待ち…」

近藤さんが羨ましそうに呟いた。
こんなに大勢の女子を待たせる奴がいんのか、どんな奴なんだ…?
ぼーとそう考えていると黒塗りのベンツが校門の前で止まった。
真っ黒のその中から降りてきたのは目を見張るような銀色と金色。
死んだ魚の目をした銀髪と、無駄にキラキラしたオーラを出した金髪。人目を引くような容姿をしたそいつらはどうやら双子らしい。とてもよく似ている。
そしてその二人を目で追っていると銀髪と目があった。すぐ目を逸らそうとするが銀髪が薄く笑って、俺は目が離せなくなる。
薄く開いた冷たい目を見て俺は心臓が跳ね上がった。

「なんなんだ、あいつ…」

金髪に急かされ校舎に入っていって、視界には消えたが、あの銀髪の冷えた視線が頭から離れない。
あれは相当な修羅場をくぐってきた奴の目だ。背筋がざわめくような、恐ろしい目だった。

「あらあなた、金さんと銀さんのこと知らないの!?」

すぐ後ろから女の声がして、俺の肩が跳ねた。

「だ、誰だお前…」

や、ビビってないから、怖がってないから。後ろにいた菫色の髪の女は俺を哀れむような目で見てきた。

「何よその反応!このMっ子さっちゃんのS心をくすぐるなんて…恐ろしい子!」

「なんでぃこの雌豚」

「なによ、私を言葉で嬲っていいのは金さんと銀さんだけよ。餓鬼の癖にイキがってんじゃないわよ」

「土方さん、この女殺っちまっても…」

「駄目に決まってんだろ!それより金さんと銀さんて誰だ?」

「知らないの!?大江戸学園のアイドル、坂田双子!兄の金さんは誰にも分け隔てなく接する白馬の王子様、弟の銀さんは兄貴肌でクールな一匹狼…素敵だわぁ」

うっとりと頬を染めながら自称坂田家ファンクラブ会長、さっちゃんはそう教えてくれた。

「金時、銀時…」





屋上で煙草を吸いながら坂田双子について考える。この学園のアイドルという二人は何者なのだろうか。それに、気にかかるのはあの銀時の冷たい目。あれは一体…

「あららー?入学早々煙草なんて吸っていいのかなー?」

後ろから温かい何かに抱き着かれて、ぽろりと口から煙草が落ちる。

「は、」

「金さんあんま煙草好きじゃないんだよね、苦いしー」

そんなことを言いながら金髪は俺の煙草を踏み付けて、俺の耳に唇を近付けてくる。

「土方君が煙草吸ってたって、先生に言いつけてやろうかなー」

「な、…」

「あぁもう可愛い!土方君ってばかわいすぎ!ね、金さんと付き合って?」

「は?」

「抜け駆けしてんじゃねーよ金時」

傍にいる金髪と全く同じ声が遠くから聞こえてくる。甘ったるい金髪の声と違ってどこか冷たさを含んだ声。屋上の扉に寄りかかって、ニヤニヤしながら近付いてきた。

「何楽しそーなことしてんだよ、俺も混ぜろよ」

「今ね、土方君を脅して犯そうとしてたの」

「いいな、3pしようぜ」

「…銀時俺様鬼畜攻めなんだもん、金さんとあわねーし」

「甘えん坊変態攻めとかきめーんだよ、うぜぇ」

睨み合う二人に挟まれて俺は混乱していたが、どうやら俺を犯す気らしい。
俺は混乱して二人の手を振り払った。

「止めろ、俺に触んじゃねぇ!」

「嫌。だって金さん、土方君のこと大好きなんだもん、銀時も土方君のこと好きなんだよね?」

「え?」

顔を逸らしてはいるが銀時の顔が真っ赤だ。

「うるせぇよ金時、御託はいいからさっさとヤるぞ」

金髪の赤い爪が俺のズボンに這ってベルトを引き抜く。銀髪にジャケットを脱がされて、体には申し訳程度にYシャツが纏わり付いてるだけ。自分の倒錯すぎる格好に目眩がした。

「でも土方君処女だからな、今日は解すだけにしとくよ」

金髪は俺のアナルに指を入れて、乳首を摘む。対する銀髪は金髪と同じようにアナルに指を突き入れて、もう片方の手でファルスを弄っている。
二人の手で悪戯されて、頭が快感でくらくらしてくる。乳首が金髪に摘まれるのを期待して勃起してきて、ファルスは銀髪の愛撫で先走りが滲んでいた。

「ア、あんっ…」

びくびく体が震えて、二人の指をくわえ込んだアナルはさらに奥へと誘うようにいやらしく収縮する。

「突っ込みたい…」

「流石に外じゃ駄目だろ、それにどーせなら処女喪失は二輪しようぜ」

「仕方ないなぁ」

間隔をずらして二人は前立腺を押し上げてくる。指のピストンも早くなってきて、最奥を突かれて高い声をあげて射精してしまった。
ファルスがしとどに濡れているのを見られるのが恥ずかしすぎて、俺の記憶はそこで途切れた。


(c)及川
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