※夢主は赤司くんの妹
※帝光中でキセキは3年生
※赤司くんシスコン



「ナマエっちー!!」
「…何ですか黄瀬先輩。」


騒がしく私の目の前で騒ぐ先輩を見つめている私の目はきっと、兄に似て冷ややかだろう。何か用事があったとしてもわざわざ二年生の私の教室まで来るのは正直やめてほしい。クラスの女子が騒ぐし視線が痛いし。大体、私と先輩の接点なんて確実に兄しかないのに。


「勉強教えて欲しいっス!」
「先輩、私二年生ですよ…。教えれるわけないじゃないですか。」
「またまたー、ナマエっちはもう中学の勉強一通り終わってるって聞いたっスよ!」
「もしかしなくても兄にですか」
「そうっス」


体の良い断りとして私の方が、学年が下だということを使おうとしたのに、兄のせいで失敗した。というより何故私なんだろうか。普段私に勉強を教えてくれているのも兄だし、何より兄の勉強の教え方は本当に理解しやすい。


「先輩、兄に教わればいいじゃないですか。」
「赤司っちが俺に教えてくれると思うっスか?」
「…まぁ、スパルタなのは目に浮かびますが、教えてはくれるんじゃないでしょうか。」
「嫌っス!ナマエっちに優しく丁寧に教えてもらいたいっス!」


この先輩は本当に兄と同い年なのか、と疑いたくなるほど幼い気がして、更に駄々をこねる様を見てひとつのイタズラを思いついて実行に移してみる。


「あ、お兄ちゃん。」
「わー、赤司っち!ごめんなさいっス!」


叫びながら頭を下げて存在しない兄に謝る先輩。正直私は先輩が何で兄に対してこんなに恐れおののいてるのか解らないけれど、兄の身内としても、騙してしまったことも、凄く申し訳ない気分になった。


「…嘘ですよ。でも何か…情けない、ですね黄瀬先輩。」
「ナマエっちひどいっスよ!」
「…で、どこがわからないんですか。」


申し訳なさから教えることを決め、その旨を伝えるとガバッと起き上がる黄瀬先輩。


「教えてくれるっスか?」
「黄瀬先輩がしつこいから特別ですよ。私の教え方は多分、兄顔負けのスパルタですが。」


キラキラとした瞳でありがとう、と私の手を取って言う先輩の後ろに、見慣れた黒い影が見えて思わず声をあげてしまう。


「お兄ちゃん!何でここに?」
「またまたー、ナマエっち流石の俺でも二回目は引っかからないっスよ!」


先輩が笑いながら後ろを向くと、黒い満面の笑みを浮かべた兄と目が合う。思わず口からひっ、という声を漏らす先輩と、今まで見たことないくらい怖い顔を浮かべた兄を見て、先輩が兄を恐れる理由がわかった気がした。


「黄瀬、オレのナマエに手ぇ出したら殺すからな。」
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