ナマエは帝光中学女子バスケ部の期待の星だった。男子バスケ部一年生だけでなく、女子バスケ部一年生のナマエを含めて、キセキの世代なんてよく呼ばれた。本当に楽しそうにバスケをしていたナマエが、バスケをできなくなったのは彼女がバスケを好きすぎたためだった。

帝光中学の女子にも容赦なく厳しい練習に加えて、時々男子バスケ部の練習にも参加し、更にその上自主練習までしていたから。膝の酷使し過ぎで、ナマエは激しい運動全般がダメになってしまった。

たまに、オレを口実に男子バスケ部の練習を見にくるナマエはやっぱり悲しそうで、赤ちんも事情を知っているからナマエが来たその日だけは、ナマエの側にいてオレの休憩が長くなってもペナルティを加えられたりはしない。


そんなナマエはデートよりも、オレがバスケをしているところを見たがる。本当は休日にまでバスケなんかしたくないけど、もう二度とバスケのできないナマエに、それを伝えることはどうしてもできなくて。

「格好いいよ」

オレがシュートを決めるたびに、ニコニコ嬉しそうなナマエにそう言われるのは嬉しいけど、オレはナマエがオレのバスケを黙って見ているより、家でナマエといちゃいちゃする方が好きだよ、と遂に伝えると彼女は一瞬だけ悲しそうにした後に「嬉しい」、と微笑んだ。



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