今日は、待ちに待った、特別な日。
お気に入りのワンピースを着て、普段はあまりしない化粧もちょっと施して―
「よし!準備万端!」
私は鏡を見てそう言うと、携帯を手にした。

『今日仕事終わったらそのまま家に来て!』

簡素にそれだけを打つと、携帯を閉じる。
「あとは総司が来るのを待つだけ…!」
私はそわそわしながら部屋の中を歩いてみたりするけど、時刻はまだ5時。
仕事はもうちょっとかかるだろう、と一度深呼吸をしてソファに座って待つことした。


それから1時間後、部屋のドアが開く音がして、総司が入ってきた。
「総司、おかえり!」
「うん、ただいま、名前」
寒かったのか、鼻が赤くなっている。
総司のマフラーとコートを受け取ってハンガーにかけると、総司がテーブルに何かを置いたのが見えた。
「なにそれ?」
「ああ、これね」
総司が箱を開ける。
すると、そこには―

「今日、付き合って2年目の記念日だからね」

2つの指輪が入っていた。
「…えっ?」
「ほら、手出して」
「え、うん」
思考が追いつかなくて、言われるままに手を差し出す。
すると総司は、私の薬指にシンプルなシルバーの指輪をつけた。
「総司っ…!」
私は嬉しくて、思わず涙を流した。
「相変わらず名前は泣き虫だね」
「だって、総司のことだから忘れてるんじゃないかと思って…」
「失礼な。名前こそ忘れてなかった?」
「忘れてないよ、だって、ほら」
私はテーブルを指さす。
そこには、私が腕を奮って作った料理が所狭しと並んでいた。
「名前の料理久しぶりだから嬉しいな」
「じゃあ早く食べよ!」
「うん」
私と総司はテーブルを挟んで向かいに座る。
そして、私が買ってきたシャンペンを総司が注ぐ。

「これからもよろしくね、名前」
「こちらこそ!」

部屋には、グラスがぶつかる音が響いた。



The second year anniversary



3年目も、4年目も、ずっとその先も。
記念日は2人で一緒に祝おうね、総司。






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