「総司!」
君はとびっきりの笑顔で僕を呼ぶ。
「大好きだよ、名前」
「私も総司が大好きだよ」
日の下で、君と笑いあう。
その日々が、とても愛おしかった。
―終わりは刻々と近付いてきていると知らずに。

「ん…名前…?」
朝起きると、隣にいるはずの名前がいない。
「もう起きてるの?」
しかし、名前はどこにもいない。
「こんな朝早くから出掛けたのかな…」
そう思いつつ、縁側に座る。
すると手に感じたのは、
「砂…?」
胸がドキリと鳴る。
「……名前……?」
僕は、すべてを悟った。

『ねえ、総司』
『何?』
『私たち…どれくらい生きられるのかな』
『…分かんない、でも、』
―もし僕が死んでも、君は生きるんだよ。
『…うん、総司も私が死んだら私の分まで生きてね』
『でも先に死んじゃ駄目だよ?』
『なにそれ、じゃあどうすればいいの?』
『精一杯、生きよう』
『…いつまでも総司と一緒にいたいよ…」
『…愛してる、名前』

信じてた。
「名前…っ」
いつまでも一緒にいられると。
「…けほ…っ、けほっ」
ひゅうっと息を吸い込むと、咳が出る。
手を見ると、久しぶりに見る赤色。
「僕も…そろそろ、かな」
僕は空を見上げた。

君は僕のすべてでした

「あと少し…君の分も生きるから、」
そうしたら、また会おうね。
呟くと、僕の頬に一滴の涙が伝った。





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