南雲家編・第二話










「あんたさあ、なんでアイドルになったの?」
2つ目のプリンを食べつつ、向かいに座る総司に問う。
「んー?知りたい?」
あ、こいつめんどくせえ。
「やっぱいいや」
「まあ友達…に応募されて受っちゃったからなんだけどね」
「初耳なんですけど!?」
なんで姉なのに今の今まで知らないんだよおかしいだろ!

「そんなんでよくここまで上りつめましたね…」
「最初は嫌だったんだけどさ、やってるうちに楽しくなったからね」
総司がニコリと微笑む。
こういう微笑みを見ると、やっぱりアイドルなんだなあ、って思う。
そんなことを考えつつ、総司の顔を見ていると。
「何?見惚れちゃった?」
総司はさっきとは違う意地悪な笑みを浮かべた。
「…は?」
「やめてよその顔」
いくらかっこいいからって、弟に見惚れるわけないじゃん。
「…じゃあさあ、」
総司は私にずいっと顔を近づけ、

「兄妹だから、キスしてもいいよね?」

またいたずらに笑う。
「…はあ!?」
その顔に私は、
「いいわけないだろっ!!」
パアンッと平手打ちをかました。




「ちょっと、痛いんだけど。 傷が残ったらどうしてくれるの?」
「知らない!」
「責任、とってくれるわけ?」
「とってやるとってやる!」
「…言ったね?」
…あれ?







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