「…幼なじみ?」
「そう!遠くにいた幼なじみが帰ってきたの! だから会いに行ってくるね!」
「ちょ、待…っ!」
そう言って彼女は光の速さで走って行った。

「あ、総司だ」
「…なんだ、不機嫌そうだな」
「あいつが幼なじみに会いに行っちゃったからじゃん?」
「ああ、そうか」
平助と一くんは色々言いながら僕の前に座る。
「…なんで知ってるの」
「だってあいつが言ってたから、超大声で」
…やっぱり馬鹿な子だよね。
「しかし…俺はあいつが幼なじみに会いに行くのを総司は許さないと思っていた」
「…なんで?」
すると、平助が少し驚いた顔をして言った。

「なんでって…幼なじみが男だからだろ?」

「…は?」
「…もしかして、知らなかったのか?」
「まじで!? じゃあこれ言わない方がよかったんじゃ…っ!」
「平助、ど う い う こ と … ?」
「ひいいいいいっ!」
「(平助、頑張れ)」

「ただいまー!」
「ちょっと君! どういうこと!?」
「へ?」
「幼なじみって…男なの!?」
「そうだけど…あれ? 言わなかったっけ?」
というかほとんど何も言わないで行っちゃったじゃない!
「まさか…浮気…?」
「浮気!? 何言ってんの!? 総司大丈夫!?」
「だって男と2人きりで会うなんて…」
「2人きり? 違うよ?」
…え。
「家族同士で会ったんだよ、幼なじみだもん」
かぞくどうし…
「…はあああ…」
「え、総司どうしたの?」

「…君は、僕じゃなくてその幼なじみのことが好きなのかと思ったよ」

そう言うと、彼女はクスッと笑った。
「笑いごとじゃないんだけど」
「だって…総司が可愛い」
「可愛くないよ、当然でしょ」
「あのね、総司」
彼女は僕に近づいて、耳元で言った。

好きなのはあなただけ

「あはは、総司真っ赤!」
そう言って笑う彼女に。
「…今夜覚悟しておいてね」
耳元でそう言うと、今度は彼女が真っ赤になるのだった。







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