今日は日曜日。
部活も仕事も無く、全員が家でまったりしている。
私たち高校生組は、リビングでテレビを見ていた。
「ふむ…ベトナム料理か…」
「ちょっと、一くんが他国の料理に手を出そうとしてるんだけど」
「まじか、食べられるのでお願いします」
「名前の料理よりは食えるだろ」
「平助…?」
こんな感じで、いつも通り。
そんなとき、玄関のチャイムが鳴った。
「「「名前(ちゃん)」」」
「分かってますよ!」
いつも通り私が行かされる。
「はーい」
そしてインターフォンを見ると、そこにいたのは―
『あら、その声は名前?』
『名前、お父さんだぞ!』
「…………え、」
見慣れた顔。
「お…お父さんとお母さん!?」
そう、私の両親だったのだ。


「……名前のお父さんとお母さん、だと…?」
ベトナム料理を見ていた一くんが振り向く。
「そうなの! え、なんでいるのかな!?」
「僕どうすればいいの?」
「知らないよ!」
「つうか俺達どうすんの!?」
ばたばたと玄関に走ってドアを開ける。
「名前!」
「久しぶりね!」
「お、お父さん、お母さん…」
それはやっぱり、海外にいるはずの両親だった。
「ど、どうしたの!? 急に帰ってきて!」
「お父さんの休みが続いたから来たのよ〜」
「びっくりさせたくてな!」
びっくりしたよ、それはもう死にそうなくらいに。
「近藤さんはいらっしゃる?」
「あー、えーと、今は出てる」
「そうか…」
「残念ねえ」


『総司! それ片付けろよ!』
『うるさいな平助こそ片付けなよ!』
『俺はどうすればいいのだ…ベトナム料理をふるまうか…?』


ああもううるさいし!
一くんにいたってはもう作るの!?
もうちょっと研究してからにしたら!?
「あら? 賑やかね」
「ど、同居人がいるの!」
「ああ、それは近藤さんも言っていたな」
「じゃあ挨拶しましょうか」
……えっ。
慌てて私がスリッパを出すと、2人はそれを履いてリビングに向かう。
どうしよう、あの3人大丈夫かな…!?
私がドアを開けると、3人は―


「ベトナム料理はいいってば!」
「なぜだ! ベトナム料理しかないだろう!」
「一くんめんどくさっ! なんでそんなにベトナム料理にこだわるの!?」


ベトナム料理についてで喧嘩していた。
…………うん。
私はパタンとドアを閉めた。
「ずいぶん楽しそうだったわねえ」
楽しそう、だと…!?
「あら? そういえば…」
「お母さん!?」
何を思ったのか、お母さんが前に出てドアを開ける。
そこには、びっくりした顔で止まる3人。
「同居人って、男の子だったのね」
あらあら、とお母さん。
そして―
「……男だと…?」
静かに震えるお父さん。


これは…非常にまずいんじゃないですか!?




つづく


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