「いやで「行くよー」いやああああああああ!!」
こんにちは、名前です。
私は今…
「嫌だって言ってるじゃん!」
「だめ、来るの」
「いやああああああ首持たないでえええええ!!」
総司に引きずられてます。
そして、着いたのは…剣道場。
「よろしくね、代理マネージャーさん」
…そう。
今日、私は―千鶴の代わりに、マネージャーをやらされるのだ。
それは、朝に来たメールがきっかけだった。


『ごめんね名前ちゃん! 風邪ひいちゃって、今日学校休むね』
「え、千鶴休みなのか」
私が言うと、みんながピクッと反応する。
「千鶴ちゃん、休みなの?」
「笑顔で近づいてくるな総司! ちなみに文末には『沖田先輩、名前ちゃんを襲ったら殺します』って書いてある…千鶴…」
「殺せるなら殺せばいいよ」
何この人たち! 怖い!
「雪村が休みということは…今日剣道部はマネージャー無しだな」
「まじか」
「剣道部ってマネージャー1人だけだっけ?」
「ああ、前まではたくさんいたが土方さんが全員退部させた」
…さすがトシ、男目当てで入部してきた子たちには厳しいね。
「あ、いいこと思いついた!」
私がしみじみしていると、総司がポン、と手を叩いて言う。
みんな嫌な顔をしてる。
…総司の提案でまともなものはないからなあ…
みんなで警戒して次の言葉を待つと、総司が言いだしたのは。


「名前ちゃんが代理でマネージャーやればいいんだよ!」


…はい?
「総司にしては良い提案じゃねえか」
「ああ、珍しくな」
「でしょう?」
「名前がマネージャーか、まあまあいいんじゃねえか?」
「俺も賛成!」
「じゃあ決定ー」
「待て待て待てい!!」
淡々と話を勧めていく5人に私がストップをかける。
「…おかしくない!? 私何も言ってないんだけど!」
「「「「「お前(君)に拒否権はない(よ)」」」」
私に拒否権はないらしい。
…ということで。
「じゃあ放果後に迎えに行くね♪」
私、今日は代理マネージャーに…なるみたいです。
どうしてこんなことに…!


で、今に至るわけなのです。
「ああもー私帰宅部なのにー」
「頑張ってくれぬか…? 夕飯にオムライスを作るゆえ、」
「よーっし頑張るぞーっ!」
さすが一くん! 私の嫁! 結婚しよう!
「名前ちゃん」
「なんでしょう総司様」
「浮気はいけないよね?」
「申し訳ありませんでした」
「うるせえぞ名前! 総司も練習始めるぞ!」
トシの怒号で部員たちが集まる。
練習する部員たちを横目に私は飲み物を作ったりタオルを用意したりと、意外に忙しい。
千鶴はこんなことをいつもやってたんだ…
今日くらいは、ゆっくり休んでね。




「うし、じゃあ今日は終わりだ!」
『ありがとうございました!』
あ、終わったみたい。
「名前ちゃん、お疲れ様」
「総司! いやいや総司こそお疲れ様」
「疲れた?」
「少しねー、でも総司かっこよかったよ」
「そう?」
「うん」
(((((((リア充爆発しろ…)))))))


「あ、一くん、オムライス!」
「ああ、帰りに材料を買って行こう」
「やた! 総司も平助も早く着替えてきてよ! トシと佐之はまだ仕事!?」
「俺はまだ仕事だ」
「俺はもう終わりだぜ」
「じゃあ左之の車で帰ろう! トシどんまい」
「名前…てめえ覚えておけよ」
「もう忘れた!」
「名前ちゃん、帰るよ」
「土方さん、お先に失礼します」
「仕事頑張れよ!」
「じゃあな、土方さん」
「ばいばーい!」
「あいつら…!」


1日限りの代理マネージャーは、みんなの新しい姿も見れて、結構楽しかった!


Back

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -