「ね、ねえ総司」
「んー?」
隣りでテレビを見ている総司に話しかける。
「あの、さあ」
「何?」
「え、えっと…」
「キスして欲しいの?」
「キ!? ち、違う!」
総司はつまんない、という顔をする。
あ、なんかちょっと可愛い…
…じゃなくて。
「その、つ…付き合ったこと、みんなに言うの?」


すると総司はニヤリと笑って言った。
「うん、大々的に」
「だっ、大々的に!?」
「パレードでもする?」
「パ…!?」
「あはは、冗談だって」
よかった、総司のことだから本気なのかと…!
「まあでもみんな帰ってきたらサラッと言えばいいんじゃない?」
「そ、そういえばみんなは…?」
「ああ、部活」
「…総司は?」
「サボリ」
…やっぱり。
「サボっちゃだめじゃん!」
「えー、でもちゃんと行ってたら僕たち付き合えてないよ」
「…うう」
不覚にも、今日は総司が部活をサボっていてよかった、と思ってしまいました。




そして夜。
「お、おかえり…」
みんなが帰ってきて、名前ちゃんが出迎える。
名前ちゃん、ちょっとドキドキしてるみたい…可愛いなあ。
「ね、ねえ」
名前ちゃんが小声で寄ってきた。
「いつ言うの…?」
「ご飯食べてるときとかでいいんじゃない?」
「分かった!」
そうして名前ちゃんはご飯を作ろうとしている一くんのもとに手伝いに行った。


ふーん、今日は焼き魚かあ。
一くんの得意料理なのは分かるんだけど…おとといもでたばっかりなような。
「魚が安くてな」
…一くんはお母さんと化していた。
「いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
いつもの通り、土方さんが言ったあとに僕たちが言う―けど。
「ねえみんな、話があるんだけど」
今日だけは、少し違う。
「話?」
「なんだ?」
みんなはザワザワし、名前ちゃんはめちゃくちゃ緊張しているようだ。


「僕と名前ちゃん、付き合うことになったから」


するとみんなは―
「…はっ?」
「は?」
土方さんと左之さんは箸と魚を落とし、
「うぐっ」
平助は魚の骨を喉に詰まらせた。
「…そうか」
一くんだけは、そう言って魚を食べ続けていた。
「本当かよ名前!?」
「あ、え、えっと…はい」
「まじかよ!」
「名前…なんで総司なんかと…」
ちょっと、土方さん。
まあ今日の僕は上機嫌だから許すけどね。
「そういうわけなんで、よろしくお願いしますね」
僕は、ニコリと笑って言った。


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