昼休み。
「ねー千鶴ー」
私は千鶴と昼ご飯を食べていた。
「何? 名前ちゃん」
「千鶴ってさあ、好きな人いる?」
「ふえっ!?」
千鶴がボトッと卵焼きを落とした。
ふえっ、って…可愛いなあもう!
「で、いるの?」
「え、えーと…」
「いるの!?」
「…い、一応…」
きゃー!!!
千鶴、やっぱり好きな人いたんだ!
「で、本題なんだけど…」
「うん」
「その人のこと見るとドキドキしたり…する?」
千鶴はクスリと笑った。
「な、なんで笑うの」
「名前ちゃん、好きな人出来たの?」
「…いや、好きな人っていうか…」
―総司のこと見るとドキドキするんだよね。
私がそう言うと、千鶴は、
「きゃあああああああああ!」
と言って(叫んで?)立ちあがった。
「え、え!? 千鶴!?」
「よかったね名前ちゃん! いやむしろよかったですね沖田先輩!」
千鶴は私の手を握り意味の分かんないことを言っている。
はあ、はあ…と息切れしながらも千鶴がやっと席に着く。


「名前ちゃん」
「…はい」
「それはずばり恋です!」
千鶴はフォークを構えながら言った。
…恋?
「恋ってあの…あれ? 好き?」
「よくわかんないけど多分そうだよ」
「恋かあ…恋!?」私はガタンとイスを鳴らして立ちあがった。
「え、だ、だって、総司、なわけ…」
「ちょっと落ち着いて名前ちゃん」


「私結婚するなら一くんがいいんだけど…」


「…ちょっと落ち着こう」
千鶴に言われ、私は席に着いた。
「だって、沖田先輩を見るとドキドキするんでしょ?」
「う、うん…」
「いつから?」
「1週間前くらい…」
「1週間前っていうと…私たちが学校に泊まったとき! 名前ちゃんと沖田先輩は家で2人っきりだったのよね!?」
「う、うん」
「きゃああああああああああ!」
「ちょっと千鶴、私よりも千鶴が落ち着いて!」
「そ、そうよねごめんなさい…」
そしてまた2人とも席に着いてご飯を食べ始める。
「それにしても名前ちゃんが沖田先輩を…!」
「い、いやまだ決まってないんだけど…私付き合うなら左之がいいし」
「…沖田先輩はいやなの?」
「うっ」
しょ、正直なところ…
「…い、いやじゃない」
「じゃあやっぱり沖田先輩が好きなのよ」
千鶴はニコリと笑って言った。


私、総司が好きなの…?
でもあの日以来、総司を見るとドキドキして、胸がキュンとする。
それが…恋なのか。
「名前ちゃんって鈍感なんだね」
「だって恋なんて10年ぶり…? くらいだもん」
「そんなに!? 逆にすごい!」


私―
総司を好きになってしまったみたいです。


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