「今日はすまなかったな。美味かった、ありがとう」
「いえ……あの……また、来てくれますか?」
「ああ、約束しよう。必ず、来る。これからも」
彼女と話していると、何故だか分からないが、何か不思議な心地がする。
……いや。
理由など本当は分かり切っているのかもしれない。
「……斎藤さん、」
「どうした?」
「……私……、私、斎藤さんの事が好きです!!」
「っ……!!」
「その……すみません、つい……だけど、この気持ちは本当です。私……」
そう言って、名前は俯いてしまう。
「……もうよい」
「……え……?」
「……俺も、同じ気持ちだ」
そっと名前を抱き寄せる。
ふわりと、優しい香りがした。
← → /
戻