段々と名前の身体の火照りが抜けてきた頃、彼女が小さく身を捩った。
「……名前?」
やや身体を離し、名前の顔を覗き込む。
『ん……総司、ごめ……ちょっと、気持ち悪い……かも……』
どうやら意識は元の名前に戻ったらしい。
だが、それと同時に大量のお酒を身体に取り入れたツケも回ってきたようで。
「大丈夫?吐く?」
『……やだ』
そう言って名前は僕の胸に顔を埋める。
「だから言ったじゃない。後で辛いのは自分なんだから」
『ん、ごめん……』
「全く……君って本当に手が掛かるよね」
そんな名前も、可愛いんだけどさ。
普段はしっかりしてる名前が、こんな姿を見せる事は滅多にない。
彼女自身、自分がお酒に弱い事は知っているし、まあ……その時の名前がどれほど危ない振る舞いをしているかは全く覚えていないみたいだけど。
背中を擦ってやれば、徐々に落ち着いてきたのか、気付けば規則正しい寝息を立てていた。
「おやすみ、名前……」
僕はもう一度だけ、彼女に唇を寄せると、自分の腕の中にある幸せな温もりを感じながら眠りについた。
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