5年生に上がってから、長次がうなされるようになった。
私が夜の鍛錬から帰ってくると苦しそうに眠る長次がいて、どうしていいかわからなくて
安心してくれるように手を握った。
そうすると長次はその手にすがりついてしばらくすると安らかに眠り始めた。

だから私は定期的に月が真上にのぼるころ長次の手を握る。
たとえうなされていなくても握るんだ。
大丈夫だと、もううなされる必要なんてないんだと、感じてほしくて。

長次が何を苦しんでるのか、私は知らない。
だけど、なんだかわかる気がする。きっとわたしも長次も同じようなことを考えているのだろう。
苦しいのは確かだし、でもそれを解決できるはずがないとわかっている。


(だからふたりで分け合って溶かしていくんだ)


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甘えたいのに素直になれないことを知ってるから



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