月が真上にくるような時間になると時々こうやって手を掴んでくる。
もう私たちは6年生になった。
だからだろう。いろんな思いを口にださなくなった。
その代わり、吐き出せない思いをこうして消化しなくてはやっていけなくなった。
誰にも気づかせないように不安を消していかないと下の学年の子たちを守れない。
私たちはもう守ってもらう側ではない。守る側だから、前を向いていなくてはならないんだ。
誰も気づいてないからこういうことができる。だから私は握り返したりしない。

小平太は私が気づいていることを知らないだろう。

知らないと嘘をつくことで小平太が元気を保てるなら私はいくらでも嘘を吐き続けよう。

でもできることなら小平太が素直に甘えられるような、そんな時間がほしい。


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甘えたいんだったら、素直になって




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