桜が舞い落ちていく。
またこの季節がやってきた。
今年も先輩方が卒業をし、私たちも5年生へとなった。
上級生となり1年が過ぎ、2年目を迎えた。来年もこの桜をみんなで見れるのだろうか。
学園長からのおつかいだってどんどん難しくなってきた。怪我をすることだって下級生のときよりもたくさんある。
死ななくてもこの学園に残れなくなることだってあるかもしれない。
桜は嫌いじゃないけど桜が咲くこの季節が嫌になる。
みんなで桜が見れる日がずっとずっと永遠に続けばいいのに。

「なんて…ばからしいな。」

「三郎どうかしたの?」

「いや、なんでもない。にしてもここの桜はきれいだな。」

「そうでしょ。この前見つけてから三郎と見に来たいなあって思ってたんだ。」

そういいながらふわりと笑う雷蔵は少し悲しそうに笑っていた。
同じこと、考えてるのかもしれない。もう4年一緒にいるんだ。思考だって似通ってきたのかもしれない。
不謹慎だろうけどなんだか笑えてきた。

「なあ、雷蔵。」

「なあに?」

「来年もここの桜、見に来よう。」

雷蔵の目が飛び出ちゃいそうなくらい開いてる。私と雷蔵は二人でひとつなんだ。
来年だって再来年だってずっとずっと一緒にいられるんだ。
よくわからないけどそんな気がする。
とりあえず、今は

「そうだね!ずっとずっと見に来よう!」

そう言って満面の笑みを向けてくれる雷蔵と私は笑い合って桜を見ていたい。







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -