おまえがいたからここまでこれた。
でもこれからはおまえなしで生きていく。
おれをほんとうに必要としてくれる人がいてくれるから
一歩進んでいける。




「みぃさぁきぃ!」

「名前で呼ぶなって言ってんだろ!くそ猿が!」

いつも通り俺は名前を呼ぶ。アイツもそれにいつも通り答える。
この日常はいつまで続けられるのだろうか。
きっと、この方法でもいつかまたアイツは離れていく。



「お前は俺が名前で呼ばなくなったらどうすんの。」

「はぁ?なに言ってんだ。おまえなんか今日おかしくないか?」

「別にいいだろ。…俺今日用があるからまた相手してやるよ。なぁ、みぃさぁきぃ。」

「名前で呼ぶなって言ってんだろうが!それに俺が相手してやってんだよ!」

「…。」

「ん?なんか言ったか?」

「言ってねぇよ。じゃあな八田。」


そう言って伏見は八田に背を向けた。
呆けた八田の声がした気がしたが聞こえなかったことにした。

俺はもう美咲に背中を預けることはできない。
それはアイツもそうだろう。
アイツとの背中合わせがただあたたかった。
でも無理に合わせた背中は悲しいもので。



――――――――だからさよなら美咲。俺はこれからアイツと一緒に。



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シオン:あなたを忘れない



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