ストレインにはなんでこんな能力を持っているんだというような能力を持っている者がいる。
その日は伏見、弁財のペアが巡回でることになっていた。
めんどくさいと思い舌打ちをしつつ、周りを見回しながら一応巡回をしていた。そのとき、俺らを見た途端おびえるように逃げるやつがいた。
おそらくセプター4の制服を見て逃げたのだろう。
ストレインにしろ、そうでないにしろ、その反応を見たなら話を聞かなければならない。
「弁財、いまの。」
「ええ。ストレインですかね。」
「わからねぇ。とりあえず追うぞ。」
「はい。」
会話をしつつ二人はそいつとの距離を詰めていったが、路地裏に入られてしまった。
まだそいつがストレインかわからないので路地の前で弁財が待機し伏見は路地裏に追いかけることになった。
伏見が路地裏に入るとそいつが待ち構えるように立っていて、目があった瞬間に霧のようなものがぶわっと視界いっぱいに広がった。そのせいで視界が閉じ、うまく体が動かない。ストレインの能力かと思いながら、必死にそいつの姿を探すがなにが周りにあるのかすらわからない。
表にいる弁財に大声を出して注意を促す。
「弁財!ストレインの能力かもしれない!近づくな!」
霧が風に流され、視界があけたころには追っていたストレインはもういなくなっていた。
周辺を探したがこのあたりにはもういなさそうだった。
追っていたストレインらしき者の情報や風貌を端末で副長に報告し、伏見が能力らしきものをあびたので二人は足早にセプター4へ帰ることになった。
セプター4に帰り、検査等をすませたが特に異常はなかったので執務室でさきほどのストレインについて調べていた。
するとなぜだか異常に眠気がしてきた。もしかしたら先ほどあびた霧のせいかもしれない。そのこと誰かに言おうにも眠たさが増したせいで言葉が出ない。
落ちるまぶたを一度閉じたらもう開ける気力はでなかった。そのまま伏見は意識を失った。
次に目が覚めると自分がなにか白い陶器の中に入っていた。立ち上がり周りを見回すと、なぜだか大きな物がたくさん置かれた部屋にいた。近くにあるペンのサイズは人を越えている。ここどこだ。確か執務室で眠気に襲われて倒れたはずだった。
記憶を戻しながら周りを見回してるとなんかおっきなものがこちらに寄ってきた。
「あ。伏見さん目が覚めましたか?体に異常とかないですか?」
秋山の声がする。どこからしてるんだ。
周りを見回すが秋山の姿は見つからない。
「伏見さん?大丈夫ですか?」
おっきなものがさらに寄ってきた。よく見るとなんだかそれは秋山のようだった。
「あき、やま?」
「はい、秋山です。」
「なんでおまえそんなにおっきいわけ?」
「いえ、俺が大きいわけじゃなくて伏見さんが小さくなってるだけですよ。さきほど伏見さんたちが遭遇したストレインの能力です。以前も目撃された情報がありました。
なんでも、霧をかけられた人は小さくなってそのときに何か入れ物がでてくるっていう能力らしいんですけど、詳しいことはわかっていません。ただそのいれものに入れてないと小さくされた人は弱るらしくて、一応伏見さんも入れさせていただいてたんですが…。」
もう一度周りをよく見ると執務室と同じレイアウトで机においてあるのは秋山がいつも使っている仕事道具だった。確かに俺が小さくなっているのは事実のようだった。
「…もどるほうほうはみつかってるのか。」
「資料を見る限り3日たてばもとに戻るそうです。」
「は、みっか?」
その言葉に開いた口が閉じれない。俺は三日も小さいまま過ごさないといけないのか。
「えっと、その間ちゃんと俺お世話しますんで大丈夫ですよ!」
やたら真剣な顔をして秋山は言ってきた。
なんで3日も他人に世話されないといけないんだ。それにここ最近ストレインの事件が多くて書類もたまっていたはずだ。自分がしないと3日後復帰したとしてもしばらくは寮に帰れない生活になるだろう。
「しごとはどうなってんだ。」
「その体ではできないということで一応休暇にはなっています。」
「そうか。」
「ですが、伏見さんは一人部屋ですしその体では危ないということで、執務室には毎日来るようにと室長が…。」
「このすがたでまいにちこいって?ふざけてんのかよ。」
「あと、誰かの部屋に3日間泊まるようにともおっしゃられていました。」
これ室長の嫌がらせだろ。まじで。
この間こっそりジグソーパズルのピース燃やしたの気づかれたか。
いや、でもあれは室長が仕事もせずに遊んでるのが悪い。
「あの、伏見さん。誰の部屋に泊まりたいって希望ありますか?」
「…おまえらのへやでいい。」
「俺らの部屋…ですか?」
「ひだかとどうみょーじのへやいったらぜったいあいつらおれであそぶだろ。それにえのもとはぼけっとしててつぶされそうだし、おまえらのへやがいちばんあんぜんだろ。あと…。」
「どうされました?」
「…アンタがおくりむかえしてくれるんだろ。ならへやにとまってたほうがらくだろ。」
「はい!」
伏見が少し頬を赤く染め言うのがかわいく心底うれしそうに笑いながら秋山は返事をした。
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かっぷいんふしみさん
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