僕は僕であり僕ではない。


仮面をつけた生活故か、元々備えもったものなのか。
僕の世界で僕は限りなく孤独だ。
先輩と呼べる人がいる。
友人と呼べる人がいる。
世界はそれを関わりというのであろう。
ただし僕の世界ではその人は僕の先輩でも友人でもない。
僕は僕であり僕ではない。


僕は世界で独りぼっちだ。



***




「任務だ」



今日も渡されるS級クラスの任務。
暗部となると人殺しをしなくて済む任務を指令されることはそうそうない。
人を殺すことは僕の存在意義?
なんて考えてみると泣けてくるね、まったく。





「お、今日の任務テンゾウと一緒じゃないの」

「…カカシ先輩、
今日って2マンセルですか?」

「みたいだね。
まぁ、今回の任務は極秘の上、重要なものだし迅速にカタつけるためにはこれがいいんじゃないの。」



今回の任務は霧隠れの里のお姫様を奪還することだ。

さらったのは最近霧隠れの里を騒がせているという犯罪集団"紅"。
霧隠れの王はただでさえ荒れた内政状況が混乱することを思案し、たまたま知っていた木ノ葉の暗部に依頼をしてきたらしい。



「水影さまには相談なしなのかね。」


「でしょうね。
王族なんて馬鹿ばっかと思ってたけど、これは最良の選択だと思いますよ。下の混乱を防ぐのと木ノ葉との信頼関係も深めることができる。まぁ、水影さまは怒りそうですけど」

「んー、だけど部下まで信じれなくなったら終わりだよね。霧隠れの荒んだ内政状況丸見え。」


カカシ先輩は眉毛をハの字に曲げ、やれやれと肩をすくめた。

そういう任務のバックボーンにはあまり興味はないが、暗部でトップの実力をもつカカシ先輩との任務…それだけは光栄に思えた。




「そろそろ出発だ、」

「はい」


お面をつける。
そして今日も戦場へ。
探すは僕自身の存在意義。



この世界の関係性を一つ


僕は僕との関係性を模索している。

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