「ねぇタケシ、サトシってさ…ハルカやヒカリには優しいわよね」
「ん?そうか?優しいのはサトシの性格だと思うが」
「そうだけど、あたし、あんな風に優しくされたことない」
「そんなことはないだろう」
「ううん、ない。あたしにはあんな親しく……助けてくれない」
「それはカスミがサトシよりトレーナーとして経験が長いからじゃないか?あの二人はサトシより歴が浅い。だから先輩として接しているからそんな風に見えるんじゃないかな」
「違うわよ。なんて言うのかな。あの二人にはちゃんと女の子として接しているし、見てる。別にサトシなんかに見てほしいってことじゃないけど、なんて言うか……悔しいというか、ムカつくというか…納得いかない」


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「あんまり天の邪鬼だと、愛想を尽かされるぞ」
「…………」
「常にとは言わないし、俺なんかが口を挟むことじゃないが、たまには素直になれ」
「無理だね」
「サトシ」
「無理だって。優しくなんかできるかよ。ハルカとヒカリはともかく。だってカスミだもん」

「サト…」
「そう、だろ?」
拗ねているような顔に、何かを言いかけて。
終わらないうちに同意を求めて、サトシが情けなく笑う。
そうして自分の答えを聞かないうちに…いや、聞きたくないとでも言うように、ピカチュウを構い始める。

そうだろの言葉の中に込められたたくさんの意味を、自分が男だからこそ感じとり、察する。
そうするとそれ以上は、今の段階では言えなくなって。
不器用すぎる二人に、どうしたものかと溜め息が一つ。

瞬間デジャヴを感じながら、今からこの状態のサトシに危機を持ち、カスミも大変だなと心の中で同情した。



END

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今からSっ気たっぷりですサトシ(ぉ
可哀想にカスミちゃん…←

100919