「はいママ、いつもありがとう」
「あら、ありがとうサトシ」
「あと、コイツからも」
「え?」
そう言って後ろを指さす息子の陰には、今はもう深く馴染んでしまったオレンジの髪を持つあの子。
不安げな眼差しで差し出されたのはグラシデアの花。
「えと、あの、あたしが渡すのはちょっと違うのかもしれないですけど……あの…もらって……くれますか?」
「………」
「ママ」
物知り顔の笑顔でこちらを見る息子がなんだか誇らしい。
「えぇ!もちろんよ」
ぱっと綻ぶ可愛らしい笑顔に。来年も再来年も。
これから先ずっと見続けられるだろう根拠のない確信が胸に広がる。
それは、隣で柔らかく微笑む息子のせいだと思うのは、きっと間違いじゃない。



END

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母の日話。結婚一歩手前くらいの関係サトカス。
だから余計そう↑思うハナコママ。だから母の居ないカスミはサトママに渡したかった。いつも自分を思って、よくしてくれるサトママに。
いいね3人がそんな関係だったらモエモエv

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