よほど神様たちは、あたしを一人にしたいらしい。


両親がいつの間にか消えた。
残ったのはジムと3人の姉と自分。
唯一の姉妹。家族。
それなのに、何をするにも仲間はずれ。
水中ショーには姉たち3人だけ。
お出かけはいつもお留守番。


理由は……。
出涸らし。だからだそうだ。


たまらず飛び出た先で、やっと居場所を見つけた。
毎日毎日ロケット団はピカチュウを狙っては飛んでって。
毎日毎日タケシの作るご飯は美味しくって。
毎日毎日お子ちゃまなサトシはバトルバトルうるさくって。
毎日毎日キラキラキラキラ輝いてて。

居たい居場所を見つけたと思った。
居てもいい居場所を見つけたと思った。


それでも。
やっぱり終わりは来るものだった。

ジムに戻れ。
そんなこと。

戻ったところで家には誰もいなくて。
久しぶりに帰った我が家は、窮屈で広かった。


「ラプラスに乗って〜探しにゆこう♪誰も知〜らない物語りの続き♪」

歌を呟く。
小さく小さく。

「ラプラスに乗って〜…」



ジムに戻ったのは自分の意志だ。投げ出すつもりはない。

でも。
見つけた居場所の居心地を捨ててまで。
なりたい夢を道に置いてきてまで、戻りたくなかった過去の惨めさを受ける自分に。

誰か愚痴くらい聞いてくれてもいいんじゃないか。
どこでもいい。自分の見える位置に居てくれてもいいんじゃないか。

そうじゃないと涙がとまらない。

姉たちを思うその度に、赤い帽子のお子ちゃまが浮かんで。



より一層。



涙が。





とまらない。



END

――――――――――
10歳の女の子には厳しい疎外・孤独感だなと思いまして。神様「たち」なのは、ポ家世界にはたくさんいますからね。

100210