朝。ポッポの囀りの中で、サトシは立てた肘の上に頭を置きながら、ベッドの中でこちらに背を向けて寝る、傍らのカスミを見つめていた。
昨夜は、世間に漏れず、恋人たちの日をプレゼントなどを渡して、その甘さを味わった。

「っ……」
ふと、無意識にもその日の影響を受けていたのか、より乱れたカスミを思い出して、空いている手を顔に当て、気持ちを抑える。
と、身動ぎしたカスミがゆっくりと瞼を持ち上げた。
さ迷った瞳は、しばらくしてかっちりとサトシを捕らえる。

「おはよー」
「ん」
「?どうしたの?顔赤い…」
「何でもない」
「?」
誤魔化すように、サトシはカスミの腰を引き寄せた。
「ひゃ!」
「ん?」
「つ、冷たいあんた!手!」
「あ、わ、悪い」
思わず、慌てて手と身体を離した。
それによって出来た二人の隙間に、ひやりとした空気が入る。

「………」
「………」

少しだけ気まずく思っていると、カスミは盛大に溜め息を吐いて、サトシの手を握りしめ、出来た距離を埋めた。
「いつ起きたの?」
「…ついさっき」
「うそ。何やってたの、こんなに手が冷たくなるなんて」
「……う〜」
「なんで唸る」
別に、ただ唸ってみただけ。なんて言わないけど。

にぎにぎとこねられたり、さすられたり。
温めようと手に集中するカスミに、サトシは胸の苦しさを感じていた。
肘を立てていた腕を崩し、カスミを更に引き寄せる。同時に頭を、肌が剥き出しのままのカスミの首筋へ。

「何?」
「何でもない」
「離れて。手、出来ない」
「いいよ…。こっちの方があったまる」
「……………そ」

二人きりの時間はもう十分に長いのに。
伝わる熱が、お互いの照れを表していた。

「「メリークリスマス」」

囁きあった声は甘く甘く。
優しく唇は触れ合った。


END
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ハッピークリスマース(゜▽゜)☆

111225