初めまして、風見鶏の相方、竹本桜音(たけもと おと)といいます。
このサイトに直接おじゃまするのははじめてなので、ちょっと緊張です。
私はFFのファンでもないし、あまり内容を詳しく知らないので、ファンの方からしたら納得のいかない部分があったとは思いますが、そこは優しい目で、大目に見てやってください。
今回のお話はクラエア前提のクラティのお話でしたが、私はクラエア派なのでその部分が大きく出ていて、クラティ派の方にはあまりおもしろくない話だったかもしれません。(すまんね!鶏!ワラ)
でもクラティを書くには、エアリスのことはどうしてもはずせない部分だし、エアリスのことがあったからこそ、クラウドとティファ、この二人はもどかしくてちょっと切ない。
そこがクラティの醍醐味だと思うので、一番強く、書きました。
クラウドとティファ、この二人の気持ちを考えることも簡単ではなかったですが、一番苦労したのがエアリスでした。私は生きていて、死んだことなんてないから、その感情を書くということがなかなかできなくて。
私の書くエアリスは、もしかしたら綺麗ごとかもしれません。
でももし自分が大切な人を残して死んだなら、こう思うだろうな、こう思ってほしいなと、想像してこういう結果に落ち着きました。
本当は嫌だったと思うんです。エアリスだって人間だから、きれいな部分だけじゃなくて、もっと人間らしい感情だって持っていて、自分は止まったまま、大切な人だけ自分ではない誰かと一緒に生きていく。それは苦しくて嫌だった。そこには自分がいて、一緒に笑いあって、くだらない話をして、分かり合えないことがあったって、それでも自分が一緒にいたかった。だけど私がエアリスの立場だったら、大切な人が自分のせいで苦しんでいるより、幸せに生きていてほしい、そう思います。自分のことを忘れてほしい、でも忘れてほしくない。たぶんどっちも本当の気持ち。きっと言葉なんてなくても、生きて二人が一緒にいるということ、想いが通じ合うことがなくても、同じ感情で二人が結ばれることがなくても、何気ないいつもの時間の中で話ができること、声が聞けること、自分の名前を呼んでくれること、大切な人を見つめることができること、それがエアリスの幸せだったと思います。
でも人って、何か辛いことがあった時に、その感情だけに捕らわれて、一番大切なことを忘れちゃうんですよね。例えば恋人と別れたとき、幸せで、たくさん大事なものを相手からもらったのに、悲しい、寂しい、苦しい、そういう感情だけでいっぱいになってしまって、それ以前のことを忘れてしまう。それしか見えなくなってしまう。それは仕方のないことで、それに気づくまでに時間がかかる。クラウドもそうで、周りの人はそれを分かってはいるけど、見ているほうからしたらもどかしくてたまらない。いつまでうじうじしてんだよ!みたいな。ワラ。気持ちは分かるけど、乗り越えられるって信じてるし、そんなクラウドをずっと待ってるのにって。
話の最後に、クラウドと女の人が会話をしてますが、誰かわかったでしょうか?
主要人物として、クラウド、エアリス、ティファの三人がいますが、私はこの中で、この人が一番寂しかったんじゃないかなと思い、この会話ができました。クラウドの心には忘れられない人がいて、一緒にいても、その目に自分が映っていないような気がして苦しかった。すぐそばにいるのに、自分の言葉はなにひとつ彼に届かない気がして。ここまで言うと、誰かわかっちゃいますね。だけどクラウドは言います。そんなことはなくて、ちゃんと彼女のカケラが自分の中にあると。人の感情とか行動、想いとか価値観とか、それって人と関わって、初めて生まれるものだと思うんです。寂しいとか嬉しいとか、むかつくとか嫌いとか、すきとか愛しいとか、その人と関わったからはじめてそういう感情が芽生えるんだと思うし、その人と一緒にいることがなくなっても、そういうものってちゃんと自分の中に残ってる。だから誰かと出会うたび、何か新しい感情が必ずひとつ生まれていくと、私は思っています。同じ友達でも、一緒にいて感じるものは一人ひとり違うものだし、毎日変わっていく。だからどんな形であれ、関わった人全てに自分のカケラが残ってる。彼女はそれを知って、初めて安心したんだと思います。自分はクラウドの中にちゃんといたんだって。そして自分の中にも彼がいた。ずっと追いかけ続けてきたけど、ここにいたんだって、もう寂しくないよって。



あとがきが長くなってしまいすいません。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
ただ相方用に書いた話が、こんなことになるなんて思いもしませんでした。
もしお邪魔じゃなければ、またここでお会いできると嬉しいです。
 



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