「いらっしゃいカスミちゃん!」 「お久しぶりですママさん!」 笑顔で出迎えてくれたのは、ピカチュウを連れて歩くお調子者のあいつの母親。 旅から帰れば美味しいご飯を作ってくれて。 危険なことをすれば怒り、心配してくれる。 あたしにもママっていう存在がいたらこんな感じなのかなって、思う。 今さら、お姉ちゃん達や私を捨てて出ていった親なんて会いたいとも思わないけど。 それでも、いつの間にかママさんに甘えるサトシが羨ましくなって。 ……嫉妬、するようになって。 それは、そう思う自分はすごく滑稽で。 人の親をほしいとか、奪われたくないとか、そんな考え。 可笑しい。 そう分かっているのに止まらなくて。 受け止めてほしくて。 ……… ママさん。 あたし、どうしたらいいですか。 「カスミちゃん」 「っはい!」 「またいつでもいらっしゃいね。今度はケーキでも焼いて待ってるから」 ……… 向けてくれる笑顔に。 また一層、サトシに渡したくなくなった。 END ―――――――――― それでもサトシも想ってしまう…大丈夫!!サトシとくっつけば全て万事解決よカスミちゃん!ww |