「どう?あんまり無理してない?」 再び、今度は議長としてプラントへ帰った彼女を知る術は、TVを通しての議会だったり、オーブへと来訪したほんの数日と、今こうして話す、通信機器での機械処理の混じった会話だったりする。 少し前までは毎日と言っていいほど目で見て、本当の声を聞いて、彼女…ラクスを感じていたのに。 直接会わなければ感じ取れない状態なんていくらでもある。 だからこうして時々…いや、頻繁に彼女の今の状態を少しでもわかろうと連絡をとってたりするわけで。 辛くとも、それを見せようとはしない彼女。 簡単に教えてくれるとは思っていないけれど。 「えぇ。大丈夫ですわ。ちゃんと休息もとっていますし」 納得いかない返事があっても、とりあえずお互いの近況などを話して。 いつもは終わる会話も今日は終わらない。 もう一つ、君に伝えることがあるんだ。 「ラクス」 「はい?」 「僕、プラントに行こうと思う」 「プラント?次の休日にですか?」 「違うよ。ザフトへ…入隊する」 「!!」 君がプラントに行ってから、ずっと考えていた。 あの時、何のために再び剣を取ったのか。 何のために、この軍服を纏ったのか。 それなのに、歯痒いことばかりだったから。 そして――――― 「待ってくださいキラ。正規の軍に入ってしまえばあなたはっ―」 「それは今も同じでしょ?」 「っ…それは…」 「…ラクスまで僕を甘やかそうとするのはやめて?」 「え?」 「僕はもう一度、剣を取ったんだ。だから今でもみんなが、僕のことに気を使う必要はない。」 「気を使うだなんて…」 「それに…あの人に……戦うって言ったのに…。これじゃ自分は何も変わらない。何のために撃ったのか…わからない」 「キラ――」 「だからプラントへ行く。プラントへ行って君の傍で戦う」 「……………」 「……………」 「……わかりました…。では、私はここで、あなたが来てくださるのを待っていますわ」 「……うん」 決意を口にした時、最初はあんなに動揺していた彼女が「待っている」と優しく微笑んでくれた。 さすがだなと思う自分がいた。 自分は口にした途端、心の奥底でわずかに揺れ動いた想いに気づいて、その躊躇いに泣きそうになったのに。 この時は彼女が居なくてよかったなと思う反面、この場でその微笑みが見たかったなと思う、まだまだ不安定で未発達な僕がいた。 END ―――――――――― 軍とかの機関のことなんて一切わかりません( ̄▽ ̄)だから設定は都合のいいように、いいように…(笑) 鶏は相手にちょっときついことを言わせるのが好きみたいですw |