「クラウド、指切りしよう」
「…は?」
「いいから、指切り、しよ?」

わけがわからないと、顔の全面に出てはいるが、にこにことしたままの私に、クラウドは困惑気味に小指を差し出してきた。

それに躊躇わず、私は指を絡ませる。

「ゆーびきーりげーんまん♪うーそつーいたぁら………ゆーびきった!♪」

歌い終えた後「なんだこれは」とクラウドは怪訝そうに更に首を傾げた。
「特に意味はないの。昔やったなぁって。それだけ」
にこりと笑って当たり障りのない回答をし、放りっぱなしのお店の準備を再開した。
腑に落ちない顔のクラウドは見て見ぬ振り。

さぁ、これでクラウドは約束したわ。
知ってる?クラウド。
この契約は嘘を付いたら、千本の針を飲まなきゃいけないのよ。

それって痛いよね、苦しいよね、怖いよね。

だから約束、守らなきゃね。

馬鹿らしい。
そんな子供じみた約束。
理論的に考えたときの、針千本飲むことの不可能はもちろん。こんな明確な対象がない曖昧な約束。気持ちのない約束。
ましてやクラウドの意志なんてものは無い約束。
約束の意味さえ持たない約束。

全てわかっているからこそ、今の自分が、ばかばかしい。


違うの。
ただ、足枷になってくれればいい。鎖になってくれればいい。
ふとした時に、何かが彼の心に引っかかってくれればいい。
明らかな拘束ではなく、真綿のような、自ら縛られるような…。

そうやってずっと私たちを。
私を想ってくれればいい。


そう思う私はなんて。


愚かなのだろう。



END

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ACC後クラティ。キャラをわかってない気がします。が。それでも載せてみた←

120320