「しーはん♪」
「??あ、ヤン!」
「珍しいね、チンミがここにいるなんて。息抜き?」
「まぁね。たまには僕ものんびりしたいよ」
「ふふ、そっか」
「ヤンは?畑の方は終わったの?」
「一段落ね。チンミ見つけて、ついでに休憩」
目の前の流れる川に視線を移し、言いながらチンミの隣にヤンは腰を下ろした。
時折吹く風が柔らかく気持ちいい。
木々がさわさわと揺れている。

「……また…いっちゃうんだって?」
「え?それ…」
突然の切り出しと、教えていないはずの事柄にチンミは驚くも、「ジンタンが教えてくれた」の一言で、あぁなるほどと納得する。

「でも今回は全然お使いみたいなものだから、すぐ帰って来れるんだけどね」
「ほんと!?」
「あぁ!」

「……。チンミ、腕出して!」
「え、何…」
「いいから!」
チンミは渋々、すでに少し捲られている裾を、更に上へずらしヤンの前へ差し出した。
ヤンは撫でるように触ったあと優しく微笑んで言った。
「この腕で、いろんなもの、守ってきたんだよね。私の知らないところでたくさん、戦ってきてるんだよね」
名目お使いから大林寺へ帰る度、一回り大きくなっている後ろ姿を幾度となく目にしているから。
「ヤン……」
「今回も頑張って!」
明るく笑うヤンに、チンミは重ねられていた手を強く握った。

その行為にドキリとヤンの胸は高鳴る。

「ヤン!帰ってきたら、またおいしい野菜、貰いに行くよ!」
「……。またグンテたちに修行?」
「もちろんv」
「厳しいわね、師範」
「とーぜん」

晴れやかに笑うチンミは安心感を与えてくれる。
数多くあるわけではない、二人の時間が嬉しく、愛おしく思う。
もっとと欲張る気持ちがないわけではない。
でもくれる笑顔があるから。

与えてくれる優しさがあるから。

だから何度でも待っていられる。

「ウキーv」
「ぅあ!こらゴクウ何するんだよ!」
「ふふ。またお姉さんに会えると思って喜んでるんだ?」
「うん、そう。いい加減落ち着けって言ってるんだけど」


こうして晴天の下で2人と1匹の笑い声は暫く続くのであった。


END

――――――――――
な、何故かチンヤン…(なんか言いにくい略だな…ww)
は、恥ずかしー(°∇°//)とてつもなく、とんでもない気がしてならないのは気のせいですか(笑)爽やかにしたつもりなんですけどね。

100726