雷さん(BL)




ラジオから朝一、大きな音で起こされる。

あったーらしーいーあーさがっきった!きっぼーおのーあーさーがー!―

――ちびっこ夏の醍醐味、ラジオ体操である。

元気なちび二人が手書きでラジオ体操カードを作成し、オレはライオンのハンコを消しゴムハンコで作って二人がラジオ体操終ったら目を輝かせてオレの前に並ぶので朱肉に押して今日の日付にぽん、ぽんと押してやれば、スクアーロとアーロは幸せそうにラジオ体操カードを掲げて。


「皆勤賞だぁ!」

「かいきんしょう!」

「そうだな、夏の間皆勤賞できたら、最後の日は一緒に水族館で鮫見ようか」

「!本当かぁ!」

「やったー!」


天使二人は両手をハイタッチさせくるくると回っている。
地上の楽園ここにあり。ニューカレドニアパンフには天国に一番近い場所と書かれていたが、もはやここは天国なのでニューカレドニアなど目じゃない。

神よ…この幸福に感謝します。オレは膝を地に着け天を仰ぐ。
ムーミン、間違えた。アーメン。

と言うわけで夏休み、家は楽園と貸した。めちゃくちゃかわいい天使が家の中を駆け回りオレに構ってくれとくっついてくる。二の腕にぶら下げて二人を持ち上げてやれば、きゃっきゃと嬉しそうにぶら下がって。
たぶん子供乗せたトトロってこんな気分だとうんうん納得しながら二人をおろして、洗濯物を干しにいく。
手伝うことあるかぁ、と周りをそわそわ動き回る 二人に洗濯かごを渡し、二人で力を合わせて抱えてもらいながら洗濯物を干す度に「いちまーい」「にまーい」と数までカウントしてくれる。二人とも…数字わかるんだな…目頭があついし前が見えないけど洗濯物を止めることはなく、おっと鼻血が出てシーツが染まったりはして一枚洗い直すことにはなったがアーロが小さなかわいいおててで?ポケットを弄り?ポケットティッシュキタ――!!


「アーロ…ぐすっ…ポケットティッシュ持ち歩いてるなんて偉い、偉すぎる…そうだ今日をポケットティッシュ記念日にしよう」


とピンクのペンを持ち出してカレンダーにしるしをつけたら後ろから蹴りが飛んできてもろに背骨に当たりのたうち回る。なんだ!?敵襲か!?


「お前いつもそのテンションでアーロ育ててるんじゃねぇだろうな…!?」


スクアーロを抱えたXANXUSが奇矯なものを見る目でオレを見ている。


「なぜオレを蹴る必要が…ハッ!!わかった!さては羨ましいんだな?アーロと過ごす生活は素晴らしいぞ?」

「頭痛くなってきた」

「風邪か?子供に移すなよ?」

「お前の頭の痛さもガキに移すなよ」

「何の話だ」


頭を抱えたXANXUSに冷えピタを渡しておいた。アーロがベスター優しいってきらきらした目で見てくれて幸せだ。


今日も明日も明後日も、天使と暮らせる幸福。


20140904(雷さん).


お待たせいたしました…!もはや夏日記…?なってしまい申し訳ないです。


渡季



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