一緒に空に連れていけ(ボスリコ幹部夢)
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側にいたいです。
あなたのそばに。
あなたのそばに。
小さな歩幅で、刷り込みを覚えさせられた鳥のように着いてくる人懐こい笑顔と仕草の、小さな女の子。
「リコ、ざんざしゅくん!たごさく!!」
「知らない人がまじってるぞ」
「短冊ですね」
小さな手に握られた三食の縦長に切られた色紙は力加減ができない幹部の握力で端がくしゃくしゃになっていたが、ペンも片手にきらきらしている。
「あおと、あかと、ピンク!!なにいろがいい?」
「私は何でも…先に好きなのを選びなさい」
「んーと、んーと!」
「オレは赤だ」
「じゃあわたしもあかにする!!」
「赤は一枚しかねえだろうが!」
「めんせきはんぶんこしよ!」
「赤はオレのモンだ」
「ザンザスくんも、幹部にゆずってあげてください」
「やだ!」
「やだって…幹部よりおにいさんでしょう」
「ふんっ」
大人気ない。とは、まだ小学校入学前の子供だから言うまい。
しかし幹部は下の学年なんだから少しくらいはわがままの自重をおぼえたら、とは思う。
「ザンザスくんとおなじあかがいいー」
「断る」
「うわあああんあかぁあああ」
「幹部、赤い短冊優先生から貰ってきますから泣かないで」
目を真っ赤に泣きはらした幹部の頭をなでなですれば泣き止んで、リコすきーとすぐさま笑顔になって抱きついてきて。
ザンザスくんが幹部の頭をひっぱたいた。
(うわぁああんざんざしゅくんがぶったぁああ)(ふんっ!うるせえ!)(たたいちゃダメですザンザスくん)
一緒に空に連れていけ
(仲良し三人組が見上げた空は、星が笑っているように煌めいていた。)
20130707(title:反転コンタクトさま).
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