第5箱 動物はキライじゃない

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美化委員の仕事の合間。
僕にはいつも行くところがある。

『ラッシー、今日も来たよ』

グルルルルル

校舎裏にいるボルゾイ(ロシアンウルフハウンド)の相手をする事だ。

半年前だったか、校舎を掃除して回っているときに僕が発見した。
最初の方はかなり威嚇してきていたが、今ではすっかり大人しい。

『ほれ、ソーセージだぞ・・・』

もぐもぐ

ラッシー(勝手に命名)がご飯を食べている間に周りを掃除していく。

『・・・てもう食べ終わったのか。早いな』

お腹いっぱいになったのか、ラッシーは眠ってしまった。

「えーとっ、確かこの辺に・・・」

聞き覚えのある声が聞こえて振り返ると私の親友
不知火半袖(しらぬいはんそで)人吉善吉(ひとよしぜんきち)がいた。

「お、おい迷為我!そんなのの横にいたら喰われるぞ!」

『ムッ)ちょっと、ラッシーに謝ってよ。ラッシーはちょっと厳ついけど凄く可愛いよ?』

「この迫力をお前はちょっとで済ませるのか!?」

善吉君は意味の分からない決意をするとソーセージを持ってラッシーに突撃した。
まぁ、勿論返り討ちにあった。(横ではーちゃんがはやしたてながら写真を撮っていたので僕も撮っていた)



『善吉君、馬鹿だよね』

「・・・・・・」

『犬は臆病な生き物だからもう少しデリケートに扱いなよ』

僕は眠っているラッシーを撫でる。

「お前、よくそんな狂犬を手なずけられるな」

『動物は嫌いじゃないから』

「そういう問題じゃないと思うけどね・・・」

二人とも何故か苦笑いしながら僕を見ていた。



次の日、ラッシーボルソイ君は飼い主の元に帰ったと聞いて落ち込むのはまた次の話。










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