第4箱 「これは僕の出番じゃないから」
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善吉くんは生徒会に入ってからかなり面倒ごとにあっている。
「なぁ、陸上部所属で短距離走専門な左利きで
DELTNの靴はいてて23地区に住んでる文車新聞購読者って知っているか?」
善吉君はやたらと長い注文をしてきた。
親友のためなので仕方なく、調べる事にした。
「陸上部所属。三年九組、諫早先輩。有明先輩と同じ短距離を
専門とするアスリートで利き腕は左」
「…………」
「同じスパイク履いてるのは見てのとーり!お住まいは23地区3年前から文車新聞を購読中―――だってさ♪」
諫早先輩は一走終えて、タオルで汗を吹きながら口をゆすいでいる。
結構美人だ。
隣を見れば善吉くんは苦い顔をしていた。
「いつも思うんだが不知火、お前はどっからそういうのをしらべてくんの?」
「さぁ?それは真宵に聞いてよ。調べたの真宵だし♪」
善吉くんは僕の方に視線を移す。
『……私に調べられないものはないよ。戯言だけど』
ちょっとかっこつけてみたり。
「ちなみにあの諫早先輩、有明先輩が代表に選ばれたせいでレギュラー落ちしてます♪」
「!!………そりゃ決まりだな。三年が二年に抜かれたら屈辱だろうし、犯人はほとんど彼女で間違いねーだろ」」
意外とあっけないな。
まぁ、私の情報のお陰だ。
「しかしな善吉よ」
僕が自画自賛をしていると横に巨乳の生徒会長がいた。
「!!」『うわっ』
びっくりした……。
生徒会長の話を産業(三行)にまとめると
・実質的証拠がない
・人を疑うのは最も恥ずべき悪徳
・本人に聞こう
以上の結果、
「諫早三年生、貴様が犯人か?」
はーちゃんは腹を抱えて笑い転げ、善吉くんはずっこけている。
僕は特に何もないけどね。
「し、知らないっ!!」
まぁ、当然。諫早先輩は逃げました。
慌てて善吉くんも追いかけようとする
「ところで人吉!」
「あ!?」
「何で制服の下にジャージ着てんの?へんだよ?」
「今聞くことか!?」
『大丈夫だよ善吉くん。僕も美化委員制服の下に普通の制服来てるし』
僕は善吉くんを落ち着かせるためにメイド服を脱ぐ。
「脱がんでいいわ!!」
それだけ言うと、善吉くんは生徒会長の後を追った。
「よかったの?真宵は追いかけなくて♪」
『いいよ。これは私の出番じゃないから。帰ろ』
「了解♪」
私達は夕日を背に、歩き出した。
「帰りお好み焼き食べたいな♪」
『……私そろそろ太るかも』
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