知っていた始まり
燃え盛る、炎の中で血まみれの少女と、大魔女になる少女。
そして、白い赤い瞳をもった生き物。
「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ」
燃え盛る炎の中で、世界が輝いた。『お早う、さやかに仁美!』
「おはよ、みぞれ」
「みぞれさん、おはようございます」
白い少女は青い少女と緑の少女に挨拶し、二人は笑いながら挨拶を返した。
しばらく三人で話していると、ぱたぱたと足音が聞こえてきた。
「ごめんっ!さやかちゃん、仁美ちゃん、みぞれちゃん!」
慌ててきた桃色の少女が三人に手を振った。
「おーっ、きたきた。遅いぞまどか!」
「まどかさん、おはようございます」
『お早う。まどか』
ようやく来た少女を交え、少女たちは再びふざけあう。
しかし、始業時間に遅刻しそうだと知ると、
揃って学校に向かって走り出した。
「…………、」
目の前の学校の廊下から、黒い少女が此方を見ているのに気づいたのは、白い少女だけだった。