第五話


リア充爆発しろ!!


なーんて、懐かしいセリフ。
いまじゃそんなこと言わなくなって久しいし、第一言ったら怒られる(笑)
いいよなぁ、みんな。
俺もはやく幸せになりたいわ。結婚してー。





君と彼とついでに僕の世界…5





「樋口、紅茶しかないが」
「あ、何でもいいよ」
水鏡宅。
いやはや、ほんとイケメンはいつまでもイケメンだな。いや、むしろハンサムだな。ダンディーだ。
あの、凍季也が俺に紅茶を出してくれるなんて、数年前には考えられなかったよなあ…。俺、感激。
「どう、子育て?」
「どうもこうも…特に変わりないが」
「またまたー。凍季也ってば、むかしは子供なんて嫌いだ、て顔してたじゃん」
「どんな顔だ」
おお、相変わらずキレのいい突っ込み。衰えていないな(笑)
にしても、水鏡んちのチビは元気だなー。つか、上の双子はともかく、末のぼんずが一番元気か?
「おとーさん、」
「ん?」
ああ、ほら。
「ほら、凍季也、子供といるとき、いつも笑ってるだろ」
もちろん、桔梗ちゃんといるときもだけど。それにしても、さ。
「そうか?」
「って言いながら笑ってるし」
柔らかくなったよなあ。優しくなったし。
これなら、まわりからは早い結婚だったけど、よかったって心から祝福できる。
「あー、俺も結婚してぇ。子供ほしい」
「まだ25だろう」
「いや、それ結婚してる奴が言うセリフじゃないよね」
結婚して、呼び方が水鏡から凍季也になっても、ずっと親友だ、なんて何年前の話だったかな。
案外すぐに、呼び方は変わったんだよな。
最初、結婚しただけじゃ水鏡でもいいかとか思ってたんだけど、子供できたらそうはいかないし。ていうかできちゃった婚かよwwwっていうね(笑)
「…ま、何にせよ凍季也が幸せならよかった」
うん、幸せ第一。健康じゃなくても幸せな時ってあるからな、そういや。
「学生の頃は、ほんっとかわいくなかったからな、お前」
「むかしの話だろう」
ほら、むかしはそのムスッとした顔も見れなかったんだよ。
「いや、ほんとにね。桔梗ちゃんに感謝だよ」
「それは僕のセリフじゃないのか?」
「うん、まあ、そうかも」
へらりと笑うと、怪訝そうな顔をする凍季也。
おー、それでいい。うん、むかしの俺が見たら、水鏡百面相だ!なんて騒ぎそうだ(笑)
「相変わらず、お前はよくわからない奴だな…」
子供を抱き上げると、凍季也はくすりと笑った。
むかしはさ、凍季也の惚気や桔梗ちゃんの愚痴、よくきかされたもんだけど。
いまはなんか、子供の話ばっかりなんだよなあ…。
いや、それが嫌だってんじゃないけどさ。むしろ嬉しいけど。
…凍季也、子供の成長日記でもつければいいのに。
「それにしても、ほんと自由だよなあ、凍季也は」
「まあ、働いてる…わけじゃないからな」
「それで金が入ってくるんだから、いいよなぁ」
「そうか?」
そうだよ、相変わらず頭がいいやつめ!(笑)
「まあ桔梗が安心して家をあけられないと困るからな」
「はいはいそーですか」
でたよ、惚気。油断も隙もないったら。
「ただいまー!」「ただいまー!」
おっ、この声は上の双子かな。
「お帰り」
「あ、樋口君!」「こんにちは!」
「はいこんにちは」
偉いなあ、この辺のしつけは桔梗ちゃんの賜だろう。だって凍季也がやるとは思えないし(笑)
「小学校、もうおわりなんだ」
「まだ一年だからな」
「え、そうだっけ?」
うーん…年相応に元気なんだけど、礼儀正しい小学校一年生…どうなんだろう、それって。
「…やっぱ末の子が一番凍季也そっくりだよな」
「そうか?」
「そーだよ。中身もひっくるめて」
客が来てんのにまるでお構いなく駆け回るチビたちを見てると、女の子ですよ〜ってにやけながら言っていた雷覇さんを思い出す。ああ、そういえば氷雨たち元気かな。
「樋口?」
「ん、う、え、何?」
「いや、どうかしたのか、ぼうっとして」
「何でもない。俺も子供ほしいなーって」
「まずは相手を探すところからだな」
…ぐさ。
ちょっ、いま必死に探してるとこなんだからそういうことは言わないで!!
いいよな、凍季也は。桔梗ちゃんが卒業してすぐ結婚して、子供もできて、お前は働いてないんだから!!
…いや、働けよ。
「僕が働いたら子供はどうするんだ」
「ぎゃあエスパー!?」
口に出てたぞ、て、睨むなよ。美形がもったいない。
「…はあ、」
「ため息つくと幸せ逃げるぞ」
「それは困る」
お、意外だな。今までは「そんなことあるわけないだろう」だったのに。やっぱ、色々かわったんだなあ、凍季也も。
「…ひぐ」
プルル…ル…
「出なよ」
「あ、ああ」
水鏡家の電話がなるとこなんて珍しい。よく来るけど、あんまきかねーな。
「…ああ。…そうか」
相槌だけかよ。いや、相手はどうせ(笑)桔梗ちゃんだろ?…いや、桔梗ちゃんだったらもっとちゃんと話せよ。
「わかった。…ああ、そういえば樋口が来ているんだが…」
一瞬顔をしかめると、「わかった」て言って、凍季也は受話器をおいた。
「桔梗ちゃん、なんだって?」
「…遅くなると」
「そっか。残念」
桔梗ちゃんは忙しいからなー。でも久々に会いたかったかも。
「だが樋口が来ていると言ったら、すぐに帰ってくると言っていた」
「え?いいのに!」
「久しぶりだから、と」
うわあ、やっぱ桔梗ちゃんはいい子だ…!
「樋口、」
「ん?」
ああそうか、凍季也なんか言い掛けてたっけな。



「飯、食っていかないか」



もちろん、桔梗ちゃんの手料理?なんて聞こうもんなら叩かれる(笑)
チビたちも「そうしよう」「そうしよう」言ってぐるぐる回って。
いいのかなあ、なんて思いはするけど。
せっかくの誘いを断る手もない。
それに、珍しく凍季也から誘ってきたんだから。



「はは。じゃあ卵料理は俺に任せろ、とっきー」
「誰がとっきーだ」



いいなあ、こんなん。

心から思うよ。



お前が、俺の親友でよかった、って。

(20110419)


[*prev top next#]



×
「#甘々」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -