第三話


リア充は一回滅べばいいと思うよ。

うん、一回滅んだらあとは好きにしてくれていいからさ。
だからとりあえずあれだよな。…そう、あれ。


水鏡爆発しろテメーは!!





君と彼とついでに僕の世界…3





「突撃!水鏡家!!」
元気いっぱい、どうも樋口です。
今日は凍土と一緒に、水鏡んちに遊びに来た。まあ遊べものがあるとは期待してなかったから、とりあえず水鏡んちを見にきた、って感じかな。
にしても…、
「何もねーなぁ」
「だから言っただろう。特に何もないと」
「そうだけどさー」
家具一揃えと、ハンガーに吊ってある制服、ペタンコのカバン、積み上げられた教科書…くらいしかない。
しかも家具の色ないし、なんとなく寂しい感じがする。
たった一つ、やや小ぶりなテディベアがなんか雰囲気をぶち壊してるんじゃないかな。
テレビの前のソファに、そっと置かれてるのがかわいい。…かわいい、けど。
「水鏡に合わない」
「だから、僕のじゃない」
「いや、それにしても合わない」
水鏡んちには、訳ありで桔梗ちゃんが同棲してるらしい。
いや、いくら事情があるったってそれはどうかと思ったよ。でも本人が気にしてないんじゃあさあ…。
テディベアは桔梗ちゃんが飾ったらしいけど、それならもっと色々置けばいいのに。
「…水鏡、桔梗ちゃんの部屋、もしかしてすごいことになってるんじゃ…」
かわいいくまさんを見ながら、水鏡に尋ねる。
っておい、客放り出して悠々と紅茶飲んでんじゃねーよ!?
「ん?飲むか?」
「いらないし。いや、てか普通に出せよ。客だぞ」
いやいやいや。優雅にティーカップ傾けてんじゃねーよ。ちくしょうイケメンは何してもかっこいいなおい!!
「あ、樋口君も飲む?淹れたけど」
「ってお前が淹れてるのかよ!?」
まさか凍土が淹れてたのかよ。

「みか…、あ。樋口先輩、氷雨」

おっと天使登場?
リビングのドアをあけて入ってきたのは桔梗ちゃん。わあ、目の保養。癒される。マイナスイオンが出てると思うのは俺だけじゃないはず、うん。
「お邪魔してます」
「ああ、邪魔されてる」
水鏡も、よく真顔でそんなこと言えるよね。あと凍土もよく無視できるよね、それを。俺だったら泣いちゃうわ。
「水鏡、そんなことを言うな。いつもすまないな」
うわあ、やっぱりいい子だ。なんで水鏡なのかわかんない。なんで?笑
「桔梗ちゃん、紅茶飲む?」
「いいのか?」
「むしろ駄目なわけないじゃん」
それもそうだと、大きく頷いて凍土に同意したら、桔梗ちゃんはふんわり笑って水鏡の隣に座った。
…くそう、お似合いカップルめ!!
「あ、そういえばさ、桔梗ちゃんの部屋って、やっぱりぬいぐるみたくさんあんの?」
「ぬいぐるみ?」
うわあ、首傾げる桔梗ちゃん。かわいい。水鏡うらやましいぞちくしょー。
「うん、たくさんあるぞ」
とってくる、と言い残して一旦リビングから出て行く。
「…水鏡」
「なんだ?」
「…いや、何でもない」
不思議そうな顔。
そういや、水鏡は桔梗ちゃんといるようになってから、表情が増えた、気がする。前はずーっと無表情だったのが、最近じゃ呆れたり怒ったり、そんでたまに笑ったり。水鏡、笑うと結構かわいいんだよな。
「わ!?」
「え?うわ!!」
桔梗ちゃん…それはでかくないか、さすがに。
「よりによってそれを持ってきたのか」
水鏡があきれ半分に言ったら、桔梗ちゃんは気にした風もなく笑った。
「大きいね…。どうしたの?」
桔梗ちゃんが抱きかかえる巨大なくまを触りながら、凍土。…なんか、目が輝いてないか?
「もらったんだ」
「もらった?誰に?」
水鏡だったらそう言うだろうし…。
「ジョーカー」
「ああ、兄さん」
ジョーカー。
聞いたことある。見たこと…も、あるかもしれない。水鏡たちの知り合いで、金髪のお兄さん。なんか少し前に神隠しから帰ってきたとかなんとか。
「ふーん。よく知らないや」
「たまたま桔梗に新しいのを買いに行ったら、会ったから、ジョーカーがなぜか知らないがくれたんだ。おかげで持って帰るのが大変だった」
思い出してんのか、ため息までついちゃってらー。まあ、貧弱な水鏡じゃ無理もないか。
「ま、何にせよいいことだ」
「何が?」
「水鏡や桔梗ちゃんが、まわりと関わること」
凍土が淹れてくれた紅茶を飲みながら、ほんとに仲がいい二人をみる。なんか、水鏡だけだと苛ついてくるけど、二人でいると、幸せになれよーって思ってしまう(笑)
「樋口は、すごいな」
「うん、すごいね」
「ああ、すごいな」
「は?何が?」
いやいや、みなさん、訳の分からんことをおっしゃいますな。

「お前が友人でよかった」

水鏡、スマイル。
破壊力、三万。

「…水鏡…俺もだよちくしょー!!」

まじリア充ムカつくけど、それとは別に水鏡はいい奴!
「なんか、水鏡と樋口君、よくそんな恥ずかしいこと言い合えるよね(笑)」
おいそこ笑いながらいうとこじゃねーぞ。

「あ、」

「どしたん、桔梗ちゃん?」
「いや…そういえば駅前の雑貨屋、割引明日までだったなって…」
やっぱ考えてることかわいいなあ。桔梗ちゃんなら、なんでもかってあげたくなる。…水鏡、してそう。
「そうか…。明日、寄ってみるか」
「いいのか?」
「当然だ。…欲しいのがあるんだろう?」
買ってやる、ていう水鏡がイケメン。
イケメン。
…で、も。


「そーゆーのは俺らが帰ってからにしてね、彼女バカ」



そんなこんなで、気にしてない水鏡は、うん。



「一回滅べ水鏡」



でも復活してくれないと桔梗ちゃん悲しむし、俺もやだからね。

(20110413)


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