ドキドキ☆潜入ミッション.1



※みっきーさんリク
※下度がさがってしまいましたすみません




泣く子も黙るS級犯罪者組織のアジトの廊下を進む一対の足音。
犯罪者にしてはどことなく上品な雰囲気を漂わせる黒髪の青年が足を止めたのは、どこでもドアよりもどぎつい赤に塗られた扉の前だった。その強烈なデザインは少なからず持ち主の強い個性を反映している。

「サソリさーん」

呼びかけてノックをしたものの返事がなかったので、試しにノブに手をかけてみれば扉はあっさりと開いた。

「いないんですか?……まあいいや。お借りしてた研ぎ器ここに置いておきますよー、っていないんだから言っても仕方ないか」

イタチ青年は一人突っ込みを入れながら中へ入り、デスクの上に研ぎ器を置いてから、手近にあった付箋にメモ書きをしたものを貼り付けて身を翻す。勿論彼が勝手に他人の部屋に入ったのは疾しい理由からではない。故に用が済めば速やかに出ていくつもりだったのだが、何気なく転じた視線の先に不可解なものを見てしまったために動けなくなった。

「何をしている、デイダ……」

その人物は衣装箪笥に頭を突っ込んで尻を揺らしていた。無論イタチが探していた部屋の主ではない。他人の部屋でごそごそと何かを漁っていた憎らしい尻の持ち主は、低い声で名を呼ばれて仰天した。
飛び上がった拍子にふわりと舞いあがって落ちてきた色取り取りの布切れの正体に、イタチは長い睫毛に縁取られた赤眼をゆっくりと瞬いた。

「ラ。貴様、まさか」

パッと振り返ったデイダラは、身体に男性用下着を引っ掛けたまま悲壮な顔でイタチに縋りついた。

「ひいいいい頼むイタチ!後生だからこのことは旦那には言わないで!オイラ死んじゃう!マジ!マジで!こんなことしてるってバレたら生ハムに下ろされちまうよ!」
「わ、分かった。分かったから黙っ」
「おい、ホントに分かってるのか!?この場では適当に取り繕ってどうせ皆に言いふらすんなら喝だぞ!?うん!?あとで絶対喝だぞ!?っておいイタチ!めんどくさそうな顔してんじゃねー!!」
「っダラ……そんなに揺らす、な……うえっぷ……それより……足、音がっ……」
「え?」


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