真夜中のチョコレート.1



※230000打、琥珀さんリク
※チェリーボーイ(泥蠍)続編
※一応ショタ泥×蠍ですがほぼ蠍がリード




 ぴちゃぴちゃと水っぽい音をたてながら、サソリの旦那の赤い舌がオイラのを舐めている。
 ――えっと。どうしてこんなことになったんだっけ。
 ぼうっとする頭を巡らせ、ことの顛末を思い出す。
 きっかけはうなされて目を覚ましたオイラが夜中に旦那の部屋を訪ねたことに始まる。そこで旦那が一人でえっちなことしている現場に遭遇してしまって、そんな旦那を見ていたらオイラまで変な気分になってしまったんだった。
 よく分からないけど、そういう気分になるとおちんちんの形が変わってしまうらしい。旦那曰く、それはえっちなことを考えている証拠だそうだ。
 えっちって響きがなんだか嫌だったから慌てて「そんなことない」って言い訳したけど、旦那はどこか楽しそうな目でオイラを見ただけだった。
 ――旦那のそういう目つき、嫌いじゃないけど、ときどき妙にどきっとしてしまう。
 さっきから旦那はオイラの股間に顔をうずめておちんちんに手を添え、舌を這わせている。そうすれば固くなったおちんちんを元通りに治せるのだと言っていた。
 旦那の顔は至って平気そうで、むしろこの状況を楽しんでいるように見えた。どうして他人のそんな汚いところをいじくったり舐めたりできるんだろうと思うのだけど、旦那の舌がおかしな具合に刺激してくるので身体がビクビクしてしまってとても疑問を追求してる余裕はなかった。
 旦那は普段から手先が器用な人で、壊れた機械なんかも簡単に修理してしまう。 器用なのは指だけじゃなく舌使いも同様らしい。おちんちんの裏を舐めたり、全体を大胆に咥えこんで口から出し入れしたり――先っぽの穴をちゅうと強く吸われて、おしっこが漏れそうになったところでオイラは耐え切れず抗議の声をあげた。

「も、いいっ! いいってば……!」

 ちらりとこちらを向くいぶかしげな目と視線がかち合う。

「はぁ? どうしたんだ急に。大人しくしてろよ」

 旦那がオイラの股間から口を離すと、嫌でも変な形になった自分のおちんちんが目についた。直視するのがいたたまれなくて、オイラは反射的に顔をそむけた。

「だって、も、無理っ……おしっこ、漏れちゃうよ、うん……」
「漏れそうってことは気持ちいいってことだろ。な、だからそんなにびびるなよ。デイダラは気持ちよくなりたくねぇか?」
「そんな、だってオイラ……気持ちいとかよくわかんないし……いっ」

 まるで股に感覚が全部もっていかれたかのようだった。
 電流みたいな衝撃が背筋を駆け抜け、オイラはビクビクと身体を震わせた。
 下を向いてみると、旦那がオイラのものに指を添えている。
 さっきよりさらに赤く腫れあがったおちんちんはオイラの知っているのとはまるで違う形で、ピンと上を向いている。皮が途中までめくれあがり、露出した先っぽがなんだかすーすーしてすごく違和感があった。
 気持ちいいのかよくないかなんて自分でもよく分からない。人に股間を触ってもらうなんて、初めてのこの状況に戸惑いしか湧かなかった。泣きそうになっているのを知られたくなくて、オイラは旦那から顔をそむけた。
 けれど旦那の指がオイラのおちんちんをはさんで丁寧に梳きあげるたびに、どうしても意識が一点に引き戻されてしまう。末端の神経がきゅうと縮こまり、代わりに何かがお腹の底からこみ上げてきた。輪郭のない不安がむくむくとふくれあがっている。いつもと勝手の違う自分の身体が怖くて、オイラは手足をばたつかせた。

「うあっ、やっ……こんなの……ああっ」

 旦那を傷つけてしまったらどうしようって思うからそう抵抗もできないのだけど――、

「大丈夫、大人は誰でもこうなるもんだ。……ここにな、前立腺っていう器官があってな。えっちしたいって気分のときに固くなるわけ」
「あっ……ふぇ? ぜ? ぜんりちゅせん……?」
「……もう、これくらいでいいか」
「え、なに? なにするの?」

 旦那はおもむろにオイラの股間から顔をあげると、腰の上にまたがってきた。そうすると座った状態で向き合う格好になる。
 オイラのおちんちんに指を添え、ピンク色に腫れた先っぽを自分のお尻にあてがった。
 そこでオイラは、さっき旦那がお尻の穴に指をつっこんで気持ちいいと言っていたのを思いだす。

「え? えっと、待って。なにするの? もしかして、これ、中に……」
「ほら、気持ちいいこと。俺と、お前で。……な?」

 わるっぽく弧を描く唇に不思議なくらいひきつけられる。いつもとどこか雰囲気の違う旦那の声に、オイラはごくりと息をのんだ。
 旦那がそのままゆっくり腰を下ろしていくと、お尻の穴にあてがわれたオイラのおちんちんが嘘みたいにずぷずぷと中に飲み込まれていく。

「えあ!? はぁっ、だんっ……っ!?」

 それ以上は言葉にならなかった。
 旦那の中は熱くて、狭くて、絡みつくようにみっちりとオイラのを締め付けていた。
 おちんちんはすぐに全部旦那の中に収まってしまって、旦那のお尻が下腹部にあたる。旦那のお腹がひくひくすると、直に刺激が伝わってオイラのものまで敏感に反応してしまった。
 頭がぼうっとして、部屋の空気を熱く感じた。オイラは意識的に力を抜こうとするように深い息を吐く旦那を見上げた。

「だ、だんな……?」
「……っ。……平気か、デイダラ」
「う、うん……」

 反射的に頷いたのは、自分より旦那の方がよっぽど苦しそうに見えたからだ。

「……今、動くから」

 旦那はゆっくりと腰を引き――再度深々と沈めていった。

「……っ、」

 熱をもった旦那の中がオイラのをすりあげていくと、まるで神経がしびれたみたいにざあ、と衝撃が駆け抜けた。全力疾走したわけでもないのにどくどくと鼓動が速まって、頭が真っ白になる。
 汗ばんだお互いの肌が密着しては離れ、しがみついてくる旦那の息がオイラの肩にかかる。

BACK
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -