終盤戦


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25-1.密猟区



 増え続ける死者の数に、いよいよ皆に疲労の色が見え始めた。生存者と死者の見分けにだって一苦労だと言うのにその上戦い続けるというのは何とも辛く弾の消費も体力の消費も凄まじかった。

 どちらが先に底を尽くか分からぬ最中で、凛太郎の絶叫が聞こえた。

「……やばい!」

 すぐ何かあるとやばいと叫ぶのは最近の若者の特徴だろうか。

「やばい! やばい!! 弾が切れたぁああ〜〜〜ッッ!」

 そんな凛太郎の前、今まさに目の前にゾンビが食らいつこうと大口を開けているところであった――いやはや、冗談抜きに本当に危機的状況のようだ。

「あ、あの野郎だからあれだけ弾は余分に持っとけって……」

 創介が今更言っても仕方の無い事を言いながら自分が所持している弾をまさぐりはじめた。しかしながら凛太郎が持っているのはどうにもショットガンのようだ、ショットガンの弾は残念ながら今ココには持っていない。

 なら、自分が撃つしかないだろうか――創介がリボルバーを取り出すが当てる自信等勿論あるはずもない。いっそリボルバーごと投げてしまうのも手だろう、だが……もはや一刻の猶予も許されないというのに自分は焦ってばかりだ。

 凛太郎が何とかゾンビを振りほどこうと喚き散らしながら左右にもがいているのを見て、創介が覚悟を決める。

「ええい、クソが!」

 だからといってやらない事には状況は変わるまい、リボルバーを投げようとした矢先。その横をすいとすり抜けて華麗な剣術を披露したのはセラだった。凛太郎に掴みかかっていたゾンビの首が千切れるのが見えた。真っ赤な花弁を散らしながら、ゾンビの首が明後日の方向へと吹き飛んでいく。

「ぁい゛っ!」

 凛太郎は気が抜けたのかその場にケツから崩れ落ちた。

「……あ、あああ゛〜〜っ……や、やばかった……やばかった……」

 そんな凛太郎を見下ろしてから、セラはその二つの刀についた血を払って見せた。

「あ、ありがと……? うん……」
「いや」

 いつも以上にクールなセラの受け答えに、さすがの凛太郎も違和感を覚えたのだろうか。

「お前――、」

 何かを言いかけた凛太郎の叫びを遮るように、キチガイと化した暴徒がハンマー片手に突っ込んでくる。が、セラは呆れたように一度ふっとため息をつくだけだった。それで彼の切りそろえられた前髪がふわっと揺れるのが分かった。

 それから突っ込んできた暴徒の背中を取ると、セラはその後頭部を鷲づかみにした。それから喚き散らす男の耳元に顔を寄せながら何事か呟いた。

「これがお前らの――、成れの果てだよ」

 言うなりセラは男の顔を今しがた自分が首を吹き飛ばしたゾンビの方へと半ば強引なまでに近づけた。男が勿論悲鳴を上げたが、セラは構いもしなかった。

「……目を逸らすんじゃない。よく見ろ。お前らがここで無駄死にしたとする――そうするとどうなる?」

 淡々と問いかけるセラだったが男からの応答はなく、只くぐもった悲鳴を上げ続けているばかりだった。





高校時代、友人がパチンコの海物語に出てくる
サムっていうキャラが生理的に受け付けないって
いつも言ってたのを未だに思い出す。
あまりにも嫌いすぎてとうとう
サムが夢に出てきてしまったそうなんだけど
今思うとあれはサムだったのか
それとも単なる海パンの男だったのか
判別がつかないと言ってたんだが
後者ならそれはそれで嫌だろ!



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